標題は適切なものを選んで欲しい

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Clip to Evernote 標題は適切なものを選んで欲しい

単発で書くと後でまとめるときに探さないといけないので面倒だけど,読者には関係がないので,勢いだけで書いてみる.標題は適切なものを慎重に選ぶべきだという話.

学生の発表を見ていると,とても不思議なことに面白い発表タイトルが軒を連ねる.「進捗発表」「進捗報告」「研究内容」.常々思うのだが,このような発表タイトルを付けるということは,すでにネタ発表の予感を感じざるを得ない.いつも裏切られるのだが.標題というのはその内容を表すものではなくてはならない.ということは,「進捗報告」という発表タイトルだとすれば,内容は「進捗報告」だけであって,なんら新しい発見や問題点の分析などは含まれていないと自ら認めているようなものである.もしも「進捗報告」であっても,「○○の××に与える影響について」わかったことがあって,その内容を発表するのであれば,「○○の××に与える影響について」という発表タイトルを付ければいいと思う.なぜそうしないのかが,私には微塵も理解できない.もしも,「発表は進捗報告なんだから間違ってはいない」という反論が飛んでくるようならば,着弾する前に反撃を行おう.「君は人間だ.これからは君のことを人間と呼ぼう.何も間違っていない」と.

同じことを論文に対しても言いたい.極稀に見かけるのだが,章題が「提案方式」になっているもの.私にはこれが理解できない.一般的な論文を考えるとき,標題と章構成のみで,内容がわかるように構成されているのが好ましい.ということは,章題に「提案方式」があるのならば,論文標題も「提案方式」でなくてはならない.なぜならば,論文標題が「○○を実現する××手法」だとして,章題に「提案方式」があったとして,「○○を実現する××手法」と「提案方式」が同一であることは,アウトラインからではわからない.「○○を実現する××手法」と「提案方式」が同一であることはどこで与えられるのだろうか?「常識的に考えて」はあり得ない.論文は「常識的に考えて」わかるような内容が報告されることは少ないからだ.論文を読む上で,推測が必要になるのは危険である.

アウトラインで論文が構成されることを考えると,章題は略記を用いて書くことはないはずである.とすると,「提案方式」という章題が主であり,「○○を実現する××手法」は副であることが推測される.思うには,章題に本気で「提案方式」と名付けているのであれば,論文標題も「提案方式」にすればいいと思う.そして,それができないのであれば,章題に「提案方式」があるのはおかしいと思うのだ.

まとめ:
「提案方式」は「○○を実現する××手法」を表す略記の1つに過ぎず,それが単体で踊ることはあり得ない.標題はその中身を表すように適切なものを選んで欲しい.「提案方式」という標題が不適切であることは論文という性格から考えて,明らかであると思う.同様にして,「進捗報告」という発表も意味不明.

200909280935追記:
メールの標題も同じだと思います.ケータイ世代はビジネスなメールでも標題なしで送ってきたり,いい加減だったりするから困る.

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