はじめてのペンタサ注腸

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ついにこの日がやってきた.人生ではじめて,ペンタサ注腸を行ったので,その記録を歴史に刻みたい.薬の紹介で述べたように,経口内服薬のペンタサ錠では大腸の奥の方(S状結腸や直腸など)まで薬効が届かないことがあるため,ケツから薬を突っ込もうぜ!っていう単純な大作戦を完遂させるための薬がペンタサ注腸です.

再掲になりますが,ペンタサ注腸セットは以下の通りです.

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ペンタサ注腸本体と,ノズル延長用のカテーテルと挿入されすぎ防止ストッパーです.このほかに,ゴミ捨て用袋兼手袋とキシロカインゼリーがあります.ペンタサ注腸使用説明書に従いながら,手順を進めていきます.なお,ペン注を行うに当たっては,全力でググって,様々な情報を得て,イメージトレーニング(妄想)を繰り返しました.そのため,あらゆる困難に立ち向かう準備は整っていたことを述べておきたい.

まず,ペン注を人肌程度に温めます.冬じゃないので室温で良いという噂もありましたが,チキンなので万全を期しました.ペン注を銀色の袋に入れたまま,風呂桶に入れて,40度程度のお湯に浸します.温まるまで,歯磨きをしたり,シャワーを浴びたりして,寝る準備を整えます.

準備が整ったので,ベッドにタオルを敷き,いよいよペン注を開封します.

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なかなか職人っぽいものが出てきました.ドットインパクト風な印字がプロっぽいです.中身が上澄み液と白濁液になっているので,振って全体が白濁液になるようにします.続いて,ペン注本体ノズルにカテーテルを継ぎます.

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こんな感じになります.入りすぎ防止ストッパーをとりあえず5cmに設定しました.説明によれば4~6cm程度に設定しろとのことです.色々な誤解を覚悟で申し上げますが,以下のような説明文があります.

ノズルが入る長さには個人差があります.無理に挿入すると直腸粘膜を傷つけることがありますのでご注意ください.

えっと・・・.なんというか,ストッパーを5cmに設定するわけですが,直腸粘膜が傷つくとか考えたとき,どう考えてもそういうプレイは危険なんじゃないでしょうか?長さ5cmってことはないだろJK.

それはそれとして,カテーテルの先端部にキシロカインゼリーを塗布し,左を下にして横になり,ペン注を軽く振って白濁液にして,アッー!します.挿入自体は太くないし,キシロカインがあるし,で問題なかったです.で,ググった知識によれば,ここからです.問題が発生しそうなのはここからです.なにやらこの白濁液は粒子が大きいのか粘性があるのかなんだか知りませんが,詰まるらしいんです.なので,詰まらないように可及的速やかに直腸内に白濁液を放出しきらないといけないのです.この1文だけ読むと何やら別のあるプレイのように読めますが,事実は小説よりも奇なり.

んで.ググッと容器を握りしめるわけですが,出ない!でない!これはマズイ!早くフィニッシュしてー!ググった通りの結果になったので,ちょっと慌てましたが,持ち替えてぎゅーっと握りしめたところ,ドピュッ!っと初射が出たので,握りしめ続け,白濁液を約1分で全部出し切るように努めました.注入後は容器を握りしめたまま引き抜きます.根本を抑えないと途中で抜けちゃうのと同じですね(何が).

ここからが第2の関門です.ペン注とは言え,体にとっては異物なので,腸がゴロゴロいって体外に押しだそうとする動きを始める可能性があるわけです.主治医の指示では「我慢できなかったら無理せず出して下さい」とのことでした.しかし,人肌に温めたおかげか,特に何もなかったです.その後は,ペン注の薬液が下行結腸まで広がるように,体位を変えるゴロゴロプレイをします.最初は左下(側位)になっているので,腹ばい(後背位),左下(側位),仰向け(正常位),右下(側位)と1分毎に体位を変えていきます.ゴロゴロプレイが終わったら,楽な姿勢で寝ちゃいます.

基本的にペン注は長時間腸内に滞留させた方が効果を得られるので,次の便がいつなのかを記録しておくことに意味があります.記録によると,13時間程度滞留させることができたようです.オレGJとしか言いようがない.

まとめ:
はじめてペン注を行ったが,思っていたほど難しくはなかった.色々と下調べをしてイメージトレーニングをした成果と思われる.あと3本残っているので,主治医の指示に従い,定期的に導入していきたい.

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