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大学と社会('08) 第7回

| 大学と社会('08) 第7回

だいぶ間が開きました.第7回は「戦後日本社会と大学改革2 計画から規制緩和へ」です.大雑把にまとめると,46答申ってことですね.

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70年代になって,中等教育のユニバーサル化が進行した.高校進学率は70年に82.1%,75年には90%を超えた.

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1971年(昭和46年)6月11日,中教審は「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」を答申した.いわゆる中教審46答申である.誤解を恐れずに申し上げるならば,今こそ46答申に立ち戻るべきである.日本という国がどのような教育を推し進めるのかを明確にするべきである.就職予備校化した大学にあって,なお今こそ大学種別化を見直すべきだと思う.

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第8回は「微生物の利用6 抗生物質と医薬品の生産」です.やっと8回目です.中間指導には8回目までやっておけば事足りるはずなので,バイオサイエンスは今回で一旦休止です.残り2科目を第8回まで進めます.というか,1科目はまだ何も手を付けてない.

抗生物質とは「微生物および生物の生産する生物学的活性を示す物質」の総称である.ちょっと噛み砕くと,他の発育や代謝を阻害する物質ということです.抗生物質の大きな特徴の1つは選択毒性である.例えば,ペニシリンは細菌を殺すが,人には全く作用しない.細菌に猛烈に効果を発揮するが,人間も殺してしまうのでは抗生物質としての価値はないということである.

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抗生物質が市販されるまでに実に10年以上かかる.個人的な意見だが,十分な技術的背景が開示され,その根拠に納得できるのであれば,積極的に臨床試験に参加できるような体制が欲しい.閑話休題.前臨床試験の中には毒性テストがあり,モルモットなどを使って,急性毒性,亜急性毒性,慢性毒性が調べられる.すぐれた抗菌性を示す新抗生物質であっても,強い毒性のために捨て去られたものが多くある.

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この辺りからまた分からなくなってくるんですが,上の図において,赤い部分に注目して下さいと言われたんですが,何にどう注目すればいいのかが分かりません.マジで勘弁して下さい・・・.もっと優しく教えて下さい.

現在使われている主な抗生物質にはβ-ラクタム系抗生物質,マクロライド系抗生物質,アミノグルコシド系抗生物質,テトラサイクリン,クロラムフェニコール,抗腫瘍性抗生物質などがある.

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β-ラクタム系抗生物質の最初はペニシリンである.ペニシリンはβ-ラクタム環をもつことを特徴とする一群の抗生物質である.この群はペニシリン(5員環をもつ)とセファロスポリン(6員環をもつ)の2つに分けられる.

マクロライド系抗生物質は,グラム陽性菌,マイコプラズマ,陰気菌に有効であるが,グラム陰性菌には無効である.抗生物質の作用機構は,細菌の50sリボソームに結合してタンパク質合成を阻害するものである.真核生物の80sリボソームには結合しないことから,選択毒性が発揮される.なお,クラリスはマクロライド系抗生物質である.

アミノグルコシド系抗生物質で最初に実用化されたのはストレプトマイシンである.しかし,ストレプトマイシンは副作用として聴覚細胞に害作用を及ぼし長期投与で聴覚を失うことがあるので,現在ではほとんど使われていない.それに変わって,副作用の少ないカナマイシンやゲンタマイシンとそれらの化学的な誘導体が使用されるようになっている.

テトラサイクリンはグラム陽性およびグラム陰性細菌によく効く.また,リケッチャやクラミジアにも有効である.クロラムフェニコールはグラム陽性,陰性菌の両方によく効く.特にチフス菌の特効薬であるが,再生不良性貧血(特定疾患だよ!)を副作用とするので,第2選択の抗生物質となっている.抗腫瘍性抗生物質はアクチノマイシンD,マイトマイシンC,アドリアマイシンなどがあり,ガン細胞の生育が速いことを選択制の根拠におくもので毒性もかなり高い.

また,免疫抑制剤としてサイクロスポリンA,さらに強力なタクロリムスなどがある.タクロリムスといえば,プログラフの主成分です.UCでもお世話になる人がいると思います.お世話にはなりたくないものです.

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第7回は「微生物の利用5 化学品の生産」です.よく分からなかったので,まとめる段階にすらないんですが・・・.ぶっちゃけ,バイオサイエンスを受講したのは失敗だったかも知れない.受講するために必要な基礎知識が欠落しすぎ.化学式に至っては,組成式はまだしも,構造式の読み方が全く分からないので,講師の先生が言う当たり前が全く理解できません.困りましたねぇ・・・.

化学工業におけるバイオ化学品をみると,精密化学品または特殊化学品(ファインケミカル)が主体である.しかし,エタノールやアクリルアミドなどのバルク化学品として重要な化学品もある.

バルク化学品とは原料あるいは燃料として使用できるほど大量生産されているものである.バルク化学品のバイオ製法への期待は以下のようなものが挙げられる.

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化石資源の危機に直面し,エネルギー政策としてバイオマスアルコールの生産研究開発が盛んになってきている.

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アルコール発酵は,太陽エネルギーを利用して無限に生産可能なデンプン質の糖化技術の進化とともに,発酵原料として見直されつつある.

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アクリルアミドはビニル基とアミド基の2種類の官能基を有する水溶性のビニル系モノマーである.ポリアクリルアミドは高分子凝集剤・紙力増強剤などの用途があり,その原料のモノマーの需要が近年高まりつつある.アクリルアミド生産菌はRhodococcus sp.N-774のニトリルヒドラターゼを用いた工業生産が1985年にはじまり,第2世代としてPseudomonas chlororaphis B23が用いられた.近年ではRhodococcus rhodochrous J1のH型ニトリルヒドラターゼが用いられている.この菌はポリアクリルアミドゲルで固定化しても活性を失わず,しかも,その固定化菌体は繰り返し使用でき,高純度のアクリルアミドを生産することが可能である.

PUFA(高度不飽和脂肪酸)は2重結合を2つ以上有する脂肪酸の総称で,様々な生理活性を有するプロスタグランディン類の前駆体として重要である.しかし,高等植物はPUFA生合成系をもっていないため,植物油はPUFAを含んでいない.一方,高等動物はPUFAを合成できるが,一般に食用動物脂は脂肪酸の飽和度が高く,PUFA含量が極めて低い.そのため,PUFA供給源として微生物が重視されている.

第6回は「微生物の利用4 核酸関連物質の生産」です.えぇ,もちろんわかりませんでした.なんとなく分かってきたのは代謝制御発酵ってのがものごっつ大事だってことくらいです.あとは,わけわからん用語のオンパレードです.

カツオ節のうま味成分は5'-IMPで,しいたけのうま味成分は5'-GMPなんだそうです.5'-IMPや5'-GMPなどは呈味性ヌクレオチドと呼ばれ,以下の特性がある.

  • プリン核をもつヌクレオチドであること
  • プリン核の6位の炭素に-OH基を有すること
  • リボースの5'位がリン酸化されていること

これ見てて実に不思議だよね.右側のXってところがHなら5'-IMPでカツオ節のうま味になって,XがNH2だったら5'-GMPでしいたけのうま味になるんですよ.ね?わけわかめでしょ?

呈味性ヌクレオチドの生産には大別して3つの方法がある.

  • RNA分解法
  • 発酵法と合成法の組み合わせ
  • 直接発酵法

これらの手法について細かく説明があったんだけど,よく分からなかった.分かったことは合成法の時に代謝制御発酵が重要で,抑制・阻害されまくりってことは分かった.どうやって解除してるのかはわかんない.

第5回は「微生物の利用3 アミノ酸の生産2」です.もちろん,すごい勢いで置いてけぼりにされてます.マジ勘弁.

アミノ酸の主な用途は呈味効果,栄養効果,薬理効果などである.

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全ての味は甘味,塩味,酸味,苦味の基本味で成り立っているとされていたが,グルタミン酸の発見以降,うま味が5番目の基本味として認知された.タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち,9種類は全く合成できないか合成量が極めて少なく,食物として摂取する必要があり,これらを必須アミノ酸と呼ぶ.薬理作用としては,潰瘍薬のグルタミン,肝臓薬のアルギニン,解毒祭のシステインなどがある.また,分岐アミノ酸(BCAA:イソロイシン,ロイシン,バリン)はスポーツドリンクにも使われている.

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アミノ酸の製造方法としては,抽出法,発酵法,酵素法,合成法がある.各アミノ酸の主な製法は以下の通りである.

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で.この辺りから(序盤だけど)分からなくなったので後は適当に駆け足で.

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アミノ酸はカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)の2つの官能基を持っており,アミノ酸同士が脱水縮合することで重合できる性質を持っている.アミノ酸の重合体をペプチドと呼ぶ.アミノ酸2つからなるペプチドをジペプチド,3つはトリペプチド,2~10程度でオリゴペプチド,10~100程度でポリペプチドと呼び,それ以上のものをタンパク質と呼んでいる.γ-PGA(γ-ポリグルタミン酸)は納豆菌である.

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人工甘味料で有名なアスパルテームは生成過程の粉が手に付いたのに気づかず,紙を取ろうとしたときに手を舐めたら,やっべーあめー!ってなって実験中に偶然発見されたらしい.っていう話で,講師の先生が,「実験中に指を舐めるのはどうかと思います」とコメントしていてワロタw.コナン君もペロしてるんですから,許してあげましょうよ.というわけで,そんなアスパルテームはハチミツにも使われているんだそうです.すごいですね.

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もう・・・わかりません・・・orz.

第4回は「微生物の利用2 アミノ酸の生産1」です.最初に述べておきますが,ちんぷんかんぷんでした.面白いほどに分からない.置いてけぼり感が異常.化学の基礎なのか,バイオの基礎なのか知らないけど,とにかく基礎知識が足りないらしい.まったくわからん!

アミノ酸発酵の究極的な意義は,全世界人口に対するタンパク質供給増加に寄与する一手段であると考えられている.そのため,アミノ酸生産のための原材料としてタンパク質を用いることは矛盾である.L-グルタミン酸-1-ナトリウムは,昆布のうま味成分であることが1908年に池田菊苗によって見いだされた.グルタミン酸を過剰生産する微生物Corynebacterium glutamicum(コリネ菌)が発見されて以来,発酵法により製造されている.グルタミン酸発酵は,日本で発明され,技術的にも完成し,世界に広まった数少ない日本初の発明例である.

アミノ酸にはL型とD型がある.

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だがよくわからない.どう見ても左右対称なんだが・・・.テキストに説明がないし,放送の人はめっちゃ早口だしさっぱりわかりません.ちなみに,L型が良く出てくるみたいです.わかりません.

グルコースからのグルタミン酸生産に関する代謝経路は以下の通り.

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もちろんよく分かりません.グルタミン酸生産に関与する物質としてビオチンがあるが,以下に示すようにとにかく添加すれば良いというものではなく,制限量加える.

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他にも界面活性剤,オレイン酸,ペニシリンなどが活躍するそうです.

で.この辺りから(いや最初からだけど)ちんぷんかんぷんなんだけど,代謝制御があります.

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代謝制御系には5つあるらしい.

  • フィードバック阻害
  • フィードバック抑制
  • カタボライト抑制
  • アテニュエーション
  • エネルギーチャージ

で.これがなんのかがわからないんだけど,なんだか,ある物質ができるとそれが出来過ぎないように途中の生産物ができないように制御する機構らしい.例えば上の図で行けば,AからB,C・・・といってZができるんだけど,Zが増えすぎないようにAからBを作れなくするようにフィードバック阻害がおきるらしい.システムとしては分かるけど,どうやってこれが起きているのかがさっぱり分からない.難しすぎます・・・.

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これはリシンの代謝制御なんだけど,要するには1~4を排除することで阻害機構がなくなって,リシン大量生産うまー!ってなるらしいことを言ってました.どうやるのかは知りません.超謎.

出張中に3回分は消化する予定だったんですが,何故か1回分しかできませんでした.第3回は「微生物の利用1 伝統的発酵食品と酵素生産」です.要するに,もやしもんですね.

清酒,ブドウ酒,ビールなどのアルコール飲料,みそ,しょうゆなどの製造工業,納豆製造などはいわゆるオールドバイオの典型例である.

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発酵食品と関与する微生物として,かび,酵母,細菌がある.中でも,しょうゆ,味噌,清酒などは日本が世界に誇るバイオ技術であると言えるだろう(授業ではそのようなことは言ってませんでしたが).

まず,清酒の作り方.

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清酒造りの何がすごいかって,糖化と酵母による発酵を並行して行わせる並行発酵を行い,世界最高アルコール濃度の醸造酒とするところである.そのアルコール濃度は実に20%以上に達する.

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続いて,ブドウ酒の作り方.

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ブドウ果皮にはブドウ酒酵母が付着しているので,自然発酵によりブドウ酒となる.自家製ブドウジュースがブドウジュースではなくブドウ汁と書いてあるのはそういう意味ですね.ブドウ酒であることを認めると酒税法違反ですね.わかります.わかれよ.不完全菌の一種であるBotrlytis cinereaが完熟したブドウの果皮に繁殖し,果皮のロウ質を溶かすため,水分が蒸発してブドウがしぼんだ状態になることを貴腐という.この貴腐ブドウを使って作られるのが貴腐ブドウ酒(貴腐ワイン)であり,香りが高く,味は濃厚でまろやかである.なお,アイスワインは凍結によって糖やそのほかの成分が増加したブドウを使って作られます.

ビールの作り方は省略しますが,発泡酒にスピリッツを混ぜたものはリキュール類に分類されていますが,あれは第3のビールではなく,第4のビールと呼ぶそうです.へーへーへー.

発酵食品といえば,やっぱりチーズでしょう.

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パルメザンチーズがずらーっと並んでて,小槌で叩いているシーンを見たことがある人もいると思います.あれは何をしているかというと,チーズ内部の空洞を確認しているんだそうです.熟成してチーズになると,内部に空洞ができるんだそうです.へーへーへー.

納豆の話もありました.納豆は高単位のビタミンKを含んでいるので,ワーファリンなどのクマリン系薬剤服用患者には禁忌食品である.納豆はワーファリン服用者には禁忌である.大事なことなので2回言いました.服用している人は知っていると思いますが.

最後に,糖質分解酵素のお話.

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難しくてよく分からなかったんだけど,トレハロースは化粧品や食品素材として利用価値が高いにもかかわらず,安価な供給源がなかったのだが,近年Arthrobacter属細菌から極めて効率的にアミロースからトレハロースを生産できるようになったらしい.また,セルロース系物質は地球上で最も多量に存在する有機物であり,セルロース系バイオマスをバイオエタノールの生産原料として利用するための研究が精力的に行われている.

第2回は「微生物とはどんな生物か」です.もやしもーん.雑感ですが,覚えることいっぱいで難しいです.

微生物とは顕微鏡を用いなければ見えない微小な生物の総称である.約300年前に微生物の存在を顕微鏡で初めて観察・記録したのはオランダ人のレーウェンフックである.その後,パスツール,コッホなどが頑張りました.

1876年にコッホが炭疽病菌を発見して以降,相次いで病原菌が発見され,その性質,治療法,予防法の研究が盛んに行われた.北里柴三郎による破傷風菌およびペスト菌の発見,志賀潔による赤痢菌の発見は日本人の誇りとするところである.また,1928年にはフレミングがペニシリンを発見した.

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生物界における微生物の分類は真核生物と原核生物とウィルスに分類される.

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真核微生物は拡散が核膜で囲まれる細胞質から独立しており,菌類,藻類,地衣類,原生生物が含まれる.原核微生物は拡散が核膜で囲まれておらず細胞質にそのまま存在し,最近,始原細菌が含まれる.

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なお,始原細菌,嫌気性菌で人間の役に立つ(暮らしを豊かにする的な意味で)やつはいないそうです.

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夢を壊してごめんなさい.これがオリゼーです.

今学期受講している3科目の2つ目です.バイオサイエンスで暮らしを豊かにしちゃうよ!主には,もやしもん的な発想で受けてみましたが,大腸菌やら抗生物質やら出てくるので,期待感が高まっています.

第1回は「バイオサイエンスの世紀」となっていますが,要するにはガイダンスです.

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2学期は10月からですが,通信指導提出までの分はなるべく早く進行させてしまった方が良いと思うので,着々と.2学期も3科目受講しているので,できる限り頑張る.へこたれたら,来学期に回します.無理はしない.

第6回は「戦後日本社会と大学改革(1)-大衆化への離陸-」です.

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ざっくり行くと,GHQ占領下で教育改革が進められるのですが,日本側の意見も聞き入れられたりして,6・3・3制が導入された.

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新制大学は1949年4月,新制小学校・中学校は1947年4月,新制高等学校は1948年4月に発足した.国立新制大学実施要領では,特別な地域を除いては,府県の官立学校を合併して1大学にするものとされている.また,1948年7月の「大学の国土計画的配置について」では高等教育機関の地域的不均衡を是正する方針を提言した.

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1945~1950年に生まれた子どもたちの波が65年頃から大学に押し寄せ,18歳人口は65年には195万人,66年には249万人と激増した.

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第5回は「日本の近代化と大学」です.

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日本で最初に大学を名乗ったのは,東京開成学校と東京医学校が統合して成立した1877年の東京大学である.帝国大学ではない.東京大学は学生の「修学の自由」の概念や「転学の自由」がないこと,教える側の「教授の自由」を煮立っていた私講師制度が導入されていないことなどから,ドイツの大学をモデルにしたとは言えず,ドイツの官僚制度を模して作られたと作られたと,中山茂は指摘している.

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明治10年代になると,各省庁がそれぞれ必要な人材養成を行う高等教育機関を設置した.工学寮工部大学校は工部省が1873年に設置し,1877年には工部大学校と解消した.札幌農学校は北海道開拓使が1876年に設置した.内務省勧農局農学校は,内務省が1878年に設置した.司法省は1872年に明法寮を設け,司法省の官僚養成を始めた.1885年には文部省に移管され,東京法学校となった.

帝国大学は,法科・医科・工科・文科・理科の5分科大学で構成され,1890年には農科大学を加えた総合大学である.帝国大学は,政府によって設置されたものであり,大学の理念として国家のための学問・教育を行うことを規定した.

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1903年,政府は専門学校令を公布した.専門学校は,男子は中学校,女子は高等女学校を卒業した者を入学資格とし,修業年限は3年以上で,ほぼ今の短大レベルの高等教育機関であった.また,専門学校令以後,中学校卒業者を受け入れて予備教育を行う条件で「大学」との呼称を認めた.これを機に,早稲田大学,日本大学,関西大学などが正式に大学になる前に「大学」と名乗っていた.

1918年に制定された大学令は,分科大学制度を改め,大学には学部を置くこととし,数個の学部を置く総合大学を原則としながら,1学部の単科大学も認めることにした.また,官立大学や道府県による大学設置(公立大学)を認めた.市は大学設置を認められていなかったが,大阪市がごねたので,1928年には市も大学を設置できることになった.さらに,私立大学は財団法人とされ,特別の場合には財団法人が大学を設置できるとした.

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出張中に3回分ほど勉強をしてきました.

第2回は「大学モデルの移植と伝播」です.大学史を通じてモデル移植には4つの大きな波がある.第1の波は15世紀,第2の波は16~17世紀,第3の波は19世紀,そして第4の波は第二次世界大戦後である.簡単にまとめると,植民地開拓と高等教育について歴史から読み解いている感じです.

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第3回は「アジアにおける高等教育の伝統」です.その時代の最高の学問内容を授けることを高等教育と呼び,それを効果的に実施する場を大学と呼ぶとすれば,「大学」の代表的なものが,古代インドの紀元前10世紀にあったタクシャシラとそれに取って代わった5世紀にあったナーランダーである.

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古代中国においては紀元前15世紀から12世紀頃に,最高学府に相当する東序,上庠,右学などがあった.西周の時代には「辟雍は中にあり,その南を成均,北を上庠,東を東序,西を瞽宗となる」とあり,学府で学ぶ内容は「礼,楽,射,御,書,数」のいわゆる六芸であった.玄宗皇帝の天宝14年には,夏休みの規定が設けられた.

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日本はどうか.文武天皇の治世下の701年に制定された「大宝令」の規定に基づいて設置された大学寮は,我が国で最初に整備された最高学府であった.大学寮は,明経,音,書,算の4道(学科)に分かれ,それぞれ教官たる博士とこれを補助する助教とが教育に当たった.今とは逆ですね.

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第4回は「アジアの近代化と大学の役割」です.清国は教育の近代化への取り組みは日本よりも早かったが,数千年来の伝統の重みと頑迷な保守派の妨害の中で,清国の近代化は遅々として進まなかった.一方で,日本は西欧化を急速に進め,近代国家としての装いを整え,富国強兵策を推進した.

第2学期は以下の3科目を受講予定です.

  • 大学と社会('08)
  • バイオサイエンスで豊かな暮らし('08)
  • 仕事・所得と資産選択('08)

うーん.全部08科目ですね.しかも,3科目とも表紙のカラーが違うのでカラフルです.オレンジ1色じゃない!

早速にして教科書が届いたので,勉強をはじめて見ました.後期は12月頃からカオスになると思われるので,早めに始めておかないと危ない.しかも,単位認定試験の直前はSCIS2011だし・・・.

というわけで,第1回は「大学の誕生と発展」です.教育社会学で習った内容に似ていますね.

ヨーロッパの大学の母胎となったのは,ボローニャ大学とパリ大学とされている.パン屋や靴屋などの同業組合(ギルド)である「ウニヴェルシタス」の例にならって団体・組合を結成し,やがてウニヴェルシタスは「教師と学生の組合」にのみ使われるようになり,今日のユニバーシティへと繋がっている.ウニヴェルシタスの形成には2通りあり,学生を中心としたのがボローニャ型で,教師を中心とするのがパリ型である.

ウニヴェルシタスに類似した大学を意味する言葉としてストゥディウムがある.しかし,ウニヴェルシタスが大学団を構成する正員について適用されたのに対し,ストゥディウムは機関としての存在という一般的な意味で用いられた.

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放送大学の成績が出ていました!今回も頑張った!

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放大ではじめて@とったよ!オレ頑張ったよ!入院中に勉強しただけのことはある!あ,いや,入院中に勉強してたのは生徒指導('06)なんですけどね・・・.良かった良かった.このペースで単位を取得していくと,あと9年くらいで卒業できそう!あはは!途中で1回退学になるなw

数年をかけて以下の科目を履修して参る予定.4年毎くらいでカリキュラム改訂されて科目名が入れ替わるので,将来的には受講できない可能性がある.でも,気にしない.

基礎科目(不足8単位)

  • 教育と心理の巨人たち('10)
  • 日本語表現法('07)
  • 身近な統計('07)
  • 基礎からの英文法('09)

専門科目(自コース)(不足30単位)

  • 教育社会学('07)(平成21年度第2学期)
  • 生徒指導('06)(平成22年度第1学期)
  • 大学と社会('08)(平成22年度第2学期履修予定)
  • 心の健康と病理('08)
  • 心理カウンセリング序説('09)(平成22年度第1学期)
  • スクールカウンセリング('10)(平成22年度第1学期)
  • 特別支援教育基礎論('07)
  • 特別支援教育総論('07)
  • 科目4
  • 科目5
  • 科目6
  • 科目7
  • 科目8
  • 科目9
  • 科目10

総合科目(不足4単位)

  • バイオサイエンスで豊かな暮らし('08)(平成22年度第2学期履修予定)
  • 消費者と証券投資('07)

専門科目・総合科目(不足12単位)

  • 科目1
  • 科目2
  • 科目3
  • 科目4
  • 科目5
  • 科目6

その他(不足8単位)

  • 日本国憲法('05)(平成21年度第1学期)
  • 仕事・所得と資産選択('08)(平成22年度第2学期履修予定)
  • 科目2
  • 科目3

今学期受講している3科目の中で,結局1番最後まで積ん読にされてしまったのが,心理カウンセリング序説である.実際には,放送授業を2,3回聴いていたのだが,実に単なる聞き流しになっており,要点が全くつかめていなかったので,この2週間で時間を作って復習をした.ラジオ放送で,キャンパスネットワークから全講義をダウンロードできてしまうのが,勉強に身が入らなかった原因と思われる.やはり,強制力は大事.

講義の中でいくつか神話のエピソードが紹介された.コップの水が飲めない話(これは神話じゃないな),王様の耳はロバの耳,スフィンクスの問.コップの水が飲めない話は,アンナが嫌っていた使用人の犬がコップから水を飲むのを見たことによって,それが心理的外傷(トラウマ)となったものであり,その扱いが難しい事情が感情を伴って話されることで,解放された(カタルシス)事例である.王様の耳はロバの耳も同様で,王様の耳がロバの耳であることを唯一知ってしまった床屋は,扱いの難しい事情を抱えてしまった.そのため,それを誰かに話したくて仕方がなかった(解放されたかった)ため,穴を掘って,「王様の耳はロバの耳」と叫んで,穴を埋めたという話である.スフィンクスの話はギリシャ三大悲劇の1つである「オイディプス王」の話である.神託によって「父を殺し母と結婚するであろう」と告げられる,エディプスは自分の父と知らず偶然に父を殺し,スフィンクスの「朝は4本,昼は2本,夜は3本のもの?」という問に答え,エディプスは王となり,実母を妃としたものである.これをエディプスコンプレックスという.

本講義ではセラピストとして「聴く」こと,「語る」ことが説明され,カウンセリングの器(レトルト)の説明があり,意識と無意識,セラピストの「読み」「問いかけ」「語りかけ」が説明された.

心理療法として,フロイト派とユング派があることは有名である.p.65 図5-5で説明されるように,心理療法における学派は,治療の過程が外的であり患者の現実が内的であるものがフロイト派,治療の過程が内的で患者の現実が内的であるものがユング派,治療の過程が外的で患者の現実が外的であるものが行動療法,治療の過程が内的で患者の現実が外的であるものがロジャーズ派である.基本的には学派がどうこうではなく,学派を超越して幅広く学ぶのがよいだろう.でも,河合隼雄先生派なので,ユング派かなって思ったりもしている.実は河合先生の著書は10冊近く持っている.全部実家に置き去りだけどwww.

ただ,1つ残念なことがあって,この心理カウンセリング序説は前提知識が要求されており,心理臨床の基礎やら心理学入門を受けていた方が良かったようだ.というか,序盤の飛ばしっぷりに平然と置いて行かれてしまった.スクールカウンセリング('10)のおかげで,少しはついて行けたのが,せめてもの救いだった.大変だったぜ.

今日から全国的に放送大学の単位認定試験です.初日1限目のスクールカウンセリング('10)を受験してきた.今回から問題の持ち帰りが可能になっている.そのため,各教科の出題傾向が変わることが懸念された.

結果としては,出題傾向が変わり,五者択二から,四者択一に変更された.出題は全10問で,誤っているものを選べが5問,正しいものを選べが4問,自習型問題から1問であった.問題は「無断転載を禁ず」と書いてあるので,掲載しない.そのうち,暇ができれば,答え合わせということで,必要な範囲で問題を引用しながら解説したいと思う.たぶん,しないけど.

なお,今回から文京学習センターは仮移転のため北区の浮間舟渡に移転している.距離的には遠くなったのだが,移動時間は短くなった.今までは茗荷谷の筑波大学構内にあったため,歩いて通っていたため,40分近くかかっていたが,浮間舟渡駅前の仮校舎はdoor-to-doorで40分かからない.アメーイジング!

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また仮校舎は元小学校なので,エアコンがなかったらどうしようかと思っていましたが,ちゃんとありました.設定温度が高めでちょっと暑かったですが.机や椅子が筑波の時よりも良くなってましたw.

この後,最終の8限に生徒指導('06)があるので,それも受験してきます.なんでこんな試験割を選んでしまったんだ(放送大学は受講科目を登録する際に,すでに定期試験日程が発表されているので,定期試験に合せて受講科目を選ぶこともできる).茗荷谷にあったとしても,おかしいだろw.

201007252217追記:
8限の生徒指導('06)を受験してきた.放大で初めての記述式試験です.ドキドキ.設問は「生徒指導のあり方」で,700字から800字で書けというので,780文字くらいで爽やかに書ききってきた.書ききったので,余裕で途中退出してきた.小論文は悩んじゃダメだよね.書ききらなきゃ.ちなみに,解答用紙が方眼目じゃなかったので,文字数があってるかは非常に不安.16文字×25行になっていたけど,1行が16文字かどうかが怪しいw.

201007271554追記:
2日目5時限目の心理カウンセリング序説('09)を受験してきた.全10問で四者択一.出題は通信指導問題,自習型問題と似て非なるもので,いいようにもてあそばれたような気がする.実に出題文の雰囲気が似ており,類似問題を彷彿とさせつつも,全く違うことを訊いている.これは厳しい.心理学の試験こわいよ・・・.心理的誘導をされている気がするorz.

いよいよ最終回です.スクールカウンセリングの第15回は「カウンセリングと宗教性」です.

最終回はさすがにクライマックス!あの河合隼雄先生がビデオで登場!河合先生と遠藤周作先生の豪華対談の映像が流されました.なんということでしょう!最終回も全力で行く感じです.

この回のキーワードは「魂」です.河合隼雄先生は以下のように述べられている.

「私がしたんでもないし,だれがしたんでもないけれど,非常に了解不可能な現象を起こす主体を考えたなら,魂と名付けるよりしかたがないわけです」

スクールカウンセリング('10) p.183

またユング派の分析家ひるまんは以下のように記している.

「たましい(soul)とは,ひとつの実体(サブスタンス)ではなく,ある展望(パースペクティブ),つまりものごと自身ではなくものごとに対する見方を意味している」

スクールカウンセリング('10) p.184

ということで,スクールカウンセリングを全15回受講したわけですが,なかなか考えさせられるものでした.教育の現場では色々な問題が起きており,そこで活躍するスクールカウンセラの役割も非常に重要なものとなっている.スクールカウンセラは単独でクライアントに向かい合うわけではなく,周囲の人たちや精神科と連携して,様々な扱いが難しい事象と向き合っていくんだと思う.

いよいよ最終回が近づいてきました.第14回は「スクールカウンセリングの課題と展望」です.今回の資料は平成19年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」から紹介されている.

まずはじめに,いじめの認知件数の推移が説明されている.平成17年度から平成18年度にかけて,急激に増加しているように見えるが,平成18年度からいじめの定義が「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」となったことによる.なお,平成17年度までは認知件数ではなく,発生件数である.平成18年度から平成19年度にかけては減少しているが,それでも多くのいじめが認知されている事実がまだまだある.

続いて,学内外における暴力行為発生件数の推移が説明されている.平成12年に1つの山がある.また,学校内暴力は対教師暴力や器物破損が多かったが,平成の初めころから対教師暴力に比べ生徒間暴力が増えてきた.この調査も平成18年度から調査方法が変わっており,公立学校に加え,国・私立学校も調査対象となっている.平成18年度から平成19年度にかけては増加している.

第12回は「医療との連携」です.医療現場の実際として,千葉大学病院の状況が紹介されていました.

「こどもの心診療部」に来院する理由の「主訴」を見ると,不登校,発達の問題,身体症状がそれぞれおおよそ2割を占めている.「診断」で見ると,適応障害や身体表現性障害がおよそ3割,発達障害がおよそ3割となっている.

「適応障害」とは,はっきりとしたストレス状況に反応して,情緒面や行動面に症状が現れる場合に診断される状態である.

「身体表現性障害」とは,心に何らかの負荷がかかっている状況で,身体の症状としてそれが現れてくる状態をいう.

スクールカウンセリング('10) p.142

この他に,児童期から思春期にかけて注意が必要な精神疾患として,以下があげられる.

「統合失調症」は,思春期に発症する疾患の中でも特に注意が必要である.総人口の1%弱が一生のうちに発症する比較的頻度の高い精神疾患で,幻覚や妄想のため,それまでの当たり前だった現実が当たり前でなくなり,強い不安,恐怖をいだく.

「気分障害」は大きく,うつ病と双極性障害(躁鬱病)に分けられる.

うつ病は,気分の落ち込み,気力の低下,何事も楽しめなくなる,集中力や思考力,記憶力が低下する,食欲が落ちる,よく眠れないといった症状を呈し,もともと一所懸命にがんばりすぎる性格と,環境からの持続的な負荷が重なって発症することが多い病態である.

双極性障害は,うつの波と躁の波が数週間から数か月単位で繰り返し現れてくる病態である.

スクールカウンセリング('10) p.143

他にも,摂食障害(拒食症と過食症),解離性障害,強迫性障害,外傷性障害,対人恐怖症などが説明されている.

発達障害はいわゆる「知的障害」といわれる全般的な知能発達障害と,対人関係能力の障害が著明で言語発達の障害も伴う「自閉症」が主である.

しかし近年,全体的知能検査では検出されにくい部分的学習能力の障害(学習障害)や,知的障害を伴わない関係性の発達の障害(広汎性発達障害),注意集中力や衝動のコントロール能力の発達の障害(ADHD 注意欠陥多動性障害)などが無視できない頻度で存在することが明らかになってきた.

スクールカウンセリング('10) p.145

精神科受診を勧めるべき代表的なケースとして,以下があげられている.

  1. 睡眠障害,つまり眠りたいのに眠れないという状態が長く続く場合
  2. 小児科や内科などで異常がないと言われる身体症状が長く続く場合
  3. いつもと比べて明らかに元気がなかったり,人が変わったように見え,それが相当期間続く場合
  4. リストカットや薬のまとめ飲みなどの問題行動が頻発する場合
  5. 幻覚や妄想といった精神病レベルの症状が疑われる場合
  6. 外傷的な事件や災害に遭遇し,その後,うつ状態やぼうっとした状態,刺激に敏感でびくびくしている状態が続く場合

スクールカウンセリング('10) pp.147-148

第13回は「スクールカウンセラーの教育・訓練」となっている.

スクールカウンセラーにとって,異性の思春期の心理を理解することは大変重要なことである.

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