バイオサイエンスで豊かな暮らし('08) 第3回

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出張中に3回分は消化する予定だったんですが,何故か1回分しかできませんでした.第3回は「微生物の利用1 伝統的発酵食品と酵素生産」です.要するに,もやしもんですね.

清酒,ブドウ酒,ビールなどのアルコール飲料,みそ,しょうゆなどの製造工業,納豆製造などはいわゆるオールドバイオの典型例である.

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発酵食品と関与する微生物として,かび,酵母,細菌がある.中でも,しょうゆ,味噌,清酒などは日本が世界に誇るバイオ技術であると言えるだろう(授業ではそのようなことは言ってませんでしたが).

まず,清酒の作り方.

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清酒造りの何がすごいかって,糖化と酵母による発酵を並行して行わせる並行発酵を行い,世界最高アルコール濃度の醸造酒とするところである.そのアルコール濃度は実に20%以上に達する.

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続いて,ブドウ酒の作り方.

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ブドウ果皮にはブドウ酒酵母が付着しているので,自然発酵によりブドウ酒となる.自家製ブドウジュースがブドウジュースではなくブドウ汁と書いてあるのはそういう意味ですね.ブドウ酒であることを認めると酒税法違反ですね.わかります.わかれよ.不完全菌の一種であるBotrlytis cinereaが完熟したブドウの果皮に繁殖し,果皮のロウ質を溶かすため,水分が蒸発してブドウがしぼんだ状態になることを貴腐という.この貴腐ブドウを使って作られるのが貴腐ブドウ酒(貴腐ワイン)であり,香りが高く,味は濃厚でまろやかである.なお,アイスワインは凍結によって糖やそのほかの成分が増加したブドウを使って作られます.

ビールの作り方は省略しますが,発泡酒にスピリッツを混ぜたものはリキュール類に分類されていますが,あれは第3のビールではなく,第4のビールと呼ぶそうです.へーへーへー.

発酵食品といえば,やっぱりチーズでしょう.

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パルメザンチーズがずらーっと並んでて,小槌で叩いているシーンを見たことがある人もいると思います.あれは何をしているかというと,チーズ内部の空洞を確認しているんだそうです.熟成してチーズになると,内部に空洞ができるんだそうです.へーへーへー.

納豆の話もありました.納豆は高単位のビタミンKを含んでいるので,ワーファリンなどのクマリン系薬剤服用患者には禁忌食品である.納豆はワーファリン服用者には禁忌である.大事なことなので2回言いました.服用している人は知っていると思いますが.

最後に,糖質分解酵素のお話.

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難しくてよく分からなかったんだけど,トレハロースは化粧品や食品素材として利用価値が高いにもかかわらず,安価な供給源がなかったのだが,近年Arthrobacter属細菌から極めて効率的にアミロースからトレハロースを生産できるようになったらしい.また,セルロース系物質は地球上で最も多量に存在する有機物であり,セルロース系バイオマスをバイオエタノールの生産原料として利用するための研究が精力的に行われている.

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