第11回は「教師との連携」です.
カウンセラーとしての信頼関係作りとして,筆者の行いが紹介されている.
カウンセリングの合間を縫って,職員室の机にできるだけ暇そうな表情で座るように心がけているが,そうするとさまざまな教師が「ちょっといいですか?」と話しかけて来られる.
スクールカウンセリング('10) p.135
これはすごく大事なことだと思う.博士課程の頃に「研究室では研究をしない」という目標を立てていたが,ほとんど同じだと思われる.研究室には卒研生や院生や先生がいるわけで,研究室では研究室でしかできないことをしたかった.それは議論やコミュニケーションなのだが,研究を進めること自体は議論などを種として1人で黙々とやればいいので,自宅でもできることだ.それを研究室でやるというのは,機会の損失に他ならないと思っていた.
また,立ち話の効果については以下のように述べられている.
そのような繊細な介入には,オフィシャルな場よりも,職員室の片隅や放課後の生徒がいない廊下の片隅での立ち話などのほうが心に届き,奏功する.
スクールカウンセリング('10) p.137
クライアントの視点に立って,クライアントが最も安心できる場を構築することもカウンセラの1つの仕事であろうか.
第10回のまとめで間違えて書いてしまったが,家庭訪問の内容は第10回じゃなくて,第11回だったようだ.本放送を見ながら書いていたから,混じってしまった.再度まとめると,家庭訪問時の心得は以下の通り.
「君のことを気にかけ続けているよ」というメッセージとしての家庭訪問.
- 放課後に.「学校に引っ張り出すために行くんじゃないよ」というメッセージとして.
- 電話で予告して.拒否する自由の保障として.
- 本人に「君が嫌なら会わない」と保証して.もし親が無理に連れ出そうとしたら「ノー」と子どもに聞こえるように言う.
- 家の中に入って.何を話しているかが本人に聞こえるように.
- 親との雑談を中心に.「先生,あんな話をするんだ」という意外な面が親しみに.
- 学校の話はできるだけしないで.「どうせする」と子どもは思っています.
- 短時間ですませる.5分で十分,長くて10分.お茶が出るまでいたら失敗.