はじめての難病医療費等助成制度申請

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以前も説明しましたが,潰瘍性大腸炎は特定疾患治療研究事業(特定疾患)に指定される56疾患の1つであり,所定の手続きを経て特定疾患医療受給者証の交付を受けることで,公費による医療費助成を受けることができます.特定疾患医療受給証の交付を受けようと受けまいと,難病患者であることにかわりはありません.大腸内視鏡検査や血液検査,なんといっても薬代が地味に高額なので,治療を続けるのであれば,公費による医療費助成を頂くことは大変に助かります.ということで,申請に必要な書類がすべて揃ったので,申請を行った.皆様におかれましては,一生お目にかかることがないことかもしれませんが,誰かの役には立つと思いますので,ここに記録を残します.申請疾病名は潰瘍性大腸炎,申請先は東京都の場合です.実際の申請は文京区役所で行っています.

制度の趣旨

この制度は,難病等にかかられた方に対して,医療費等を助成することにより,その医療の確立と普及を図り,併せて患者さんの医療費等の負担軽減を図ることを目的としています.

東京都の難病医療費等助成制度のご案内 より引用

申請対象者

  1. 東京都に住所を有する方
  2. 国民健康保険や組合健康保険など,公的医療保険に加入している方
  3. 難病医療費等助成対象疾病にかかられている方

上記1-3のいずれも満たすもの。

申請書類
申請書類は東京都福祉保険局で確認することができます.しかしながら,実際に申請書類をもらいに行ったときに渡された資料の方が詳細で正確そうなので,そちらを抜粋して紹介します.

  1. 難病医療費助成申請書兼同意書
  2. 臨床調査個人票
  3. 健康保険証の写し
  4. 高齢受給者証の写し
  5. 住民票
  6. 世帯調書
  7. 生計中心者の課税状況を証明する書類
  8. 保険者からの情報提供にかかる同意書
  9. 健康保険上の所得区分を確認する書類
  10. 重傷度認定申請書兼診断書
  11. 身体障害者手帳1,2級または障害年金証書1級の写し

以上が必要になる書類の全てですが,全ての人にとってこれらの書類が必要とは限りません.実際,私の場合は4,9,10,11の書類は不要でした.そもそも無いものもありますし.では,これらの書類のうち,実際に準備したものについて説明していきます.

難病医療費助成申請書兼同意書

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こんな感じの書類です.実際はノーカーボン紙になっていますので,これを印刷して使ってもダメですよ.この書類は申請者自らが記入します.記入項目が多いですが,特に難しいところもないので,問題なく記入できるかと思います.

臨床調査個人票
新規と更新で書類が違うようです.今回は新規なので,新規の場合です.新規の臨床調査個人票は区役所等の窓口でも受け取れますが,東京都福祉保険局のWebサイトからも入手可能です.ただし,申請する疾病毎に書類が異なりますので,申請する疾病用の臨床調査個人票を手に入れて下さい.Webからダウンロードした場合は,A3に印刷して使って下さい.網掛け部分のみを申請者が記入し,担当医に渡して記入してもらいます.そのため,すぐには申請ができないかもしれません.実際,私は1通院分間が空きました.後述しますが,医療費助成は窓口に申請した日から有効になるので,いち早くこの書類を準備することが肝要です.

健康保険証の写し
そのままですね.必要そうな部分をコピーして下さい.ただし,「現住所が記載されているもの」と留意事項に記載されていますので,気をつけましょう.

住民票
同一世帯の者すべてが記載されているもので,発行日から3ヶ月以内のもの.続柄,本籍地の記載は不要.外国人の場合は「外国人登録原票記載事項証明書」だそうです.

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他の市区町村や他の道府県ではどうなのか分かりませんが,文京区の場合,「特殊疾病申請書用」という判子が押された上記の請求書をいただけるので,住民票は無料で取れました.ただし,取った住民票にも同様の判子が押されるので,目的外利用はできませんよ.

世帯調書

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こんな感じの書類です.これも難しい書類ではないので,問題はないと思います.

生計中心者の課税状況を証明する書類
これがちょっと難しいです.チャート図が描かれちゃうくらい面倒なことになっています.

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このチャートに従って,必要な書類を準備します.私の場合は3に該当するので,平成21年度分の給与所得の源泉徴収票のコピーが必要となります.この書類の準備は難しい気がしますので,窓口でよく確認されることをお勧めします.

保険者からの情報提供にかかる同意書

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こんな感じの書類です.これもノーカーボン紙になっていますので,これを印刷してもダメです.この書類も難しいところはありません.

申請から認定までの流れ
窓口に申請すると,認定または非認定を決定する審査が行われます.審査と交付には2ヶ月程度かかるそうです.認定された場合,郵送で医療券が交付され,非認定の場合,非認定通知が送付される.医療券は9月30日まで使用でき,1年ごとに更新手続きが必要となる.医療券は保険証と併せて,医療機関や保険薬局などの窓口に提示して利用する.なお,医療券は交付された日から有効になるのではなく,申請した日まで遡ることができる.ただし,初診日や診断確定日には遡ることができない

医療費助成の内容
医療券に記載された疾病を治療するために受ける治療・調剤・訪問看護であり,各種医療保険を適用した後の自己負担額から,「月額自己負担限度額」を控除した額を助成する.要するには,障害者と違って,何にでも有効ではなく,罹患している疾病を治療することに対しての助成である.当たり前と言えば,当たり前.

月額自己負担限度額は全国共通だと思う.ここで注意したいのは,医療機関ごとと書かれているので,病院と薬局の2機関となるので,私の場合,1ヶ月11540円が上限になる模様.単純にこれで12ヶ月だとすると,約14万円なので,年度末の医療費控除請求ができるものと思われる.

これがどれ程に有効かというのを実感に基づいて述べよう.まず,普通に通院しているだけでは上限に達しない.しかし,血液検査をやっただけで,上限に到達する.大腸内視鏡検査をやった日には「みなさまに生かされております.ありがとうございます」レベルである.薬に関して言えば,ペンタサを今の量で処方される場合,1回で上限に行きます.ペンタサは高いですよ.ペンタサかわいいよペンタサ.まだペンタサ以外の薬は処方されていないので他のはわかりませんが,ペンタサが無くなると(無くなるわけないけど)上限に届かなくなると思われます.

今のところ,そのような予定もないし,そうなりたくはないですが,入院の上限額が11550円になっているのがものすごく気になります.3月に手術で10日間入院したときは13万ちょっとでした.UCで内科的に入院する場合,1ヶ月から2ヶ月程度となるので,負担額が1万円ですむというのはとてもありがたい話だと思います.ましてや外科的入院の場合では,相当な負担軽減になると思います.

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