私大生の2割は日本語力が中学生以下

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J-CASTニュース : 私大生2割「日本語力中学生以下」 学力底上げにeラーニング導入

「私大学生の2割の学生の日本語力が中学生以下」という驚きの調査結果が明らかになった。

どの辺りが驚きの結果なのだろうか.たった2割の部分なのだろうか.確かに驚きの結果である.私見では半数は中学生以下だと思うのだが.いやしかし,現在の中学生も質が低下しているだろうから,中学生以下という基準値も曖昧でよくわからないものであるといえる.「大学生>高校生>中学生」という能力の関係が認められなら,この結果は由々しき問題である.なぜならば,中学生以下の日本語力を持った人が中学を卒業し,高校に入学して卒業し,大学に入学しているということだ.どんだけ権威がないんだよ.これは学生が悪いんじゃなくて,社会が悪いんじゃないのだろうか.

調査は1998年から00年、04年から07年にかけて行われたが、「日本語力が中学生レベル以下」と判定される大学生の割合が非常に多いのだ。

???意味がさっぱりわからない.中学生以下と判定されたのはたった2割なのに,非常に多いというのはどういうことだろうか.残りの8割は高校生以上と判定されたわけではないというのだろうか.全く意味が理解できない.ミスリードか?

このプレースメントテストを開発したNIMEの小野博教授によると、大学での授業を理解するためには、高校生レベルの日本語力が必要だといい、この調査結果からすると、授業の内容さえ理解できない大学生がかなりの数にのぼる、ということになる。

意味不明.大学の授業を理解するには大学レベルの日本語力が必要に決まっているだろう.そのために入試やら面接やらで,能力を試しているのではないのか.違うのか.私大を対象にしているから,お金を持っているかどうかをチェックしていることに警鐘を鳴らしているのか?

そもそも,中学生なら中学生レベル,高校生なら高校生レベル,大学生なら大学生レベルを標準とするべきであって,大学の授業を理解するのに必要な日本語力が高校生レベルというのは如何なものだろうか.基準が標準的な考えから逸脱しているようなので,中学生レベルというものがどのようなレベルなのかがわからない状態である.鵜呑みにすると危険な記事ですね.

「授業をやりたがらない分野」とは、「中高生の勉強をやり直すような内容」や、「SPI(企業の採用選考で使われる、マーク方式の能力・性格検査)対策などの就職準備」などだそうだ。

はっきり言わせてもらうと,この「対策」というものは非常に気に入らない.何故,その人間の能力を推し量ろうとする試験において,対策などという姑息な手段をとるのだろうか.実力を調べたいのに,実力以上の結果を出そうとする対策講座はいったい何をどうしたいのだろうか.こんなことをするから試験の意味がなくなってしまうことに,何故気がつかないのだろうか.常に実力だけで戦えるような能力を養うことこそが教育・勉学の目指すべきところではないのか.それを実力というのだろうし,地力だろう.

一方、藤川准教授は「何かやれば学力は上がるものなので、eラーニングもひとつの方法だとは思います。ただし、(学力低下が指摘されている)これまで勉強してこなかった学生に、対面でない状況で教えたとして、どれだけ効果が上がるのかは未知数だと思います」と、やや懐疑的な様子だ。

何かをやれば学力は上がるだろうか.オレはそれにすら懐疑的だ.目的を持って学ばない限り,学力は向上し得ない.「授業のノートを取っていれば」「授業に出席していれば」程度の向学心しか持っていない大学生の学力は向上するだろうか.また,ゲーム感覚で勉強ができるという最近のNDSソフトをオレは快く思っていない.向学心があり,ゲームで勉強するという心構えがあれば別だが,ゲームとして遊ぼうと思っているならば,決して勉強にはならないと思う.だって,脳トレ眼力も,結局は慣れが大きく寄与していると思う.だから,e-learningを導入しても,それはそれを受講する人の心構え如何で大きく効果が変わってくると思う.e-learningがすごいんじゃないことを忘れてはならない.

コメント(2)

小林研M2の先生の人 : 2008年1月 7日 12:55

いつも楽しく読ませていただいております。
初めてコメントさせていただきます小林研M2の先生の人です。
遅ればせながらヘタレ系Dの12/22の記事の
秋田のTTと厚木市のTTについて私の意見を。
どちらに書けば良いのかわからないので、この記事にコメントすることをお許しください。

まず、厚木市のTTですが利点と欠点を。
利点は、

・教師の側から見て授業がやりやすい。
・生徒が自分の能力に合った授業を受けられるので理解がしやすい。
・昇格・降格があるのでモチベーションの向上につながる。

などだと思います。

反面、欠点は、

・モチベーションの向上につながるのは、中間層より上の層であり、 習熟度の低い児童は2、3回「もう一歩クラス」が続いてしまうとあきらめの気持ちが生じてしまう。

私の今までの経験から言うと、この途中で挫折してしまう人の割合が、年々増加している気がします。
小学校4年で挫折してしまうので、小5、小6になってもはじめから、自分にはわからない、という意識で授業に臨むため、集中できない、勉強しない、といった児童・生徒が多い印象を受けます。

次に、秋田のTTの利点ですが、

・同じ教室内にいろいろな生徒がいるので、劣等感が生まれにくい。
・問題につまずいたときに、巡回の先生にすぐ質問ができるため、また、巡回の先生が気づいてくれるため、わからないことをそのままにする事が減る。

一方、欠点は、

・わからないことをすぐに教えてしまうと、考える力が付かなくなるため、巡回の教師の匙加減が非常に重要。

集中力の問題を上げられてましたが、私のこれまでの個別指導塾での経験からいうと、周りから別の話が聞こえてきても、集中力にはそんなに影響が出ません。
彼らは自分に関係ない話をシャットアウトする能力はとても優れています。
逆に同じレベルの生徒が近い空間にいて、自分と同じような説明をされているほうが、
集中できないようです。
集団授業と個別授業なので一概に同じとはいい難いですが。

私がこの記事から考える、秋田の教育の最大のポイントは、6行目の
「『家庭学習ノート』などにより、学習を努力した結果が正当な評価を受けることが
システムとして確立していること」
だと思います。
「小学生は夏休みに、冬休みの予定を考えられない」という話もありますが、小学生にとって学期末の成績よりも、提出してすぐに「頑張ったね」とレスポンスが帰ってくるほうが、モチベーションにつながると私は考えます。
学校・塾がどんなに良い授業をしていても、家庭学習の習慣が身に付かなければ、中学・高校と学習内容が高度になるにつれて対応できなくなります。
一番上の棒グラフの差が学力の差に直結しているのではないでしょうか。
毎回レスポンスを返す、というのは教師にとって非常に大変な作業になりますので、「教師の質」というのも多分に影響があると思います。以上大変長文になってしまいました。申し訳ありません。

初コメントありがとうございます.長文にちょっとビビた.
さすがは先生の中の人,考えることが一歩上ですね.
長文に対するコメントは返しにくいので,申し訳ありませんが,別エントリーを立ててお返事いたします.
なお,4403ができたので,ヘタレDには学内関係のことだけを書くことにしました.
さらに,ヘタレDは3月で終了の予定です.

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