続々:ニセ学位

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asahi.com:ニセ学位、国立大医学部教授も 昇進時、経歴に採用 - 社会

そろそろ飽きてきた感があるニセ学位問題の続報.何が問題なのかよく分からなくなってきた.

 金沢大医学部保健学科で理学療法を教える男性教授は、02年にニューポート大の博士号を取得した。03年、この学位も記載した書類で選考に臨み、助教授から教授に昇進した。

 金沢大によると、教授選考では、(1)業績(2)博士の学位がある(3)教育の経験がある――の3条件を総合的に判断する。男性教授の場合、選考過程で「ニューポート大とは何だ」と話題になったが、業績が優れているため昇進が認められたという。

教授選考基準が曖昧であるため,これはこれで構わないのではないかと思われる.3条件がANDであるとは言っておらず,総合的に判断すると言っている.そのため,博士の学位がなくても,業績で昇進が認められたとすれば,何ら問題はないように思われる.ただし,3条件がANDであったのならば,大問題であると言えよう.だがしかし,「ニューポート大とは何だ」と話題になっておきながら,全く調べないというのは,選考委員会の無能さを露呈していないだろうか.調べもしていないということだから,無審査の疑いをかけられても仕方がないだろう.

 男性教授によると、ニューポート大からのダイレクトメールをきっかけに、約3年間にA4判3枚ほどのリポート約50本と博士論文を同大日本校に日本語で 提出し、博士号を取得した。

 男性教授は「日本校なので日本語の論文でも変だとは思わなかった。大学で教えるには学生に対する指導力が必要。そのために勉強して博士号を取りたかった」と話す。

日本校だから日本語の論文でも良いと感じるのは構わないのだが,A4でたった3枚をたった50本こなし,博士論文を提出するだけで博士号が取得できると思っていることに失望を禁じ得ない.博士の学位はそんなに低レベルではない.そして,学生に対する指導力と博士号がどのような関係にあるのかも分からない.業績が十分にあったことから考えれば,博士号がなくても十分な指導力はあっただろうし,昇進のために博士号を取得したと思える.優れた教育観を持っていても,博士を有していないが故に,大学教員になれない人もいるというのに・・・.

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