ネット版には上がるっぽいけど,アスパラクラブなので,朝日新聞2月23日付夕刊8面よりスクラップ記事を転載.の予定.
「リポートを数枚書いてくるように」「次回は,全員の前で発表して下さい」.課題を出すたび,教室から学生が消えていった.
わかる.わかりますとも.どのみち,出席回数が足りずに成績評価対象外になることは目に見えているわけですが,課題や試験などがあると,踏ん切りが付くようで,それを境目にして,学生が減っていく.これは近年常態化しており,好ましい状況とは思えない.確かに,単位を取れる見込がない授業を履修しているのは無駄であるかも知れないが,かといって,他の教科に余力を振り分けるわけでもない.そもそも履修登録期間以降であれば,セメスタ中に獲得可能な最大単位数は確定しているので,授業を諦める毎に,獲得可能単位数は減っていくのだ.
今時の学生は,少しでも無理だと感じたら,挑戦することなく,簡単に諦めてしまうのだ.もちろん,課題に挑戦する学生もいるだろうが,その挑戦も中途半端だったりする.ちょっとググった程度で答え(らしきもの)が見つからなければ,簡単に諦めてしまう.そして,指定期日に優秀な学生のレポートを写させてもらうのだ.ここで,注意したいのは,レポートを出すのは指定期日ではないのだ.授業前に必死に写すとか,授業中に必死に写すとか,そのような必死さは皆無.指定期日までに提出しようなんて心意気は皆無.絶望した!
リタイアした学生に理由を聞いてみると「まだまだ勉強不足だということがわかった.もっと基礎からやりたい」と言う.レベルを下げてもう一度やりたい,という声が多いのだ.しかし,本音は面倒なのだと思う.
正解.本音と建て前.卒研を失敗する方法に通ずるところがある.彼らにとっての「基礎」とは「楽して単位を獲る技術」なのだろう.きっとそうだ.
レベルを下げるって,どういうことなのか.どうやら「無理せず,自分の身の丈にあったレベル」というような意味らしいが,結局,楽をしたいということじゃないのか.
そうでしょう.楽をして,高い給料が欲しい.そういう自己中心的な思考から来る発想なのです.働かざる者食うべからず.身の丈に合わせたいのなら,人生も身の丈に合わせたらいい.遊んでばかりじゃいられなくなるはずなのだが・・・.都合が悪い部分には目を向けないのも,近頃の学生らしくて結構だ.
「残業時間が1レベル下」「厳しさが1レベル下」「与えられる責任が1レベル下」.そう思える企業を選ぼうとしても,そんなものは幻想に過ぎない.
幻想に過ぎないはずなのだが,その幻想を実現してしまうのが,昨今の売手市場である.企業採用側は,こういった「1レベル下」思考をするような学生を,「1レベル下」の学生として,毅然とした態度で扱わなくてはならない.だがしかし,面接回数の少なさ,外面の良さによって,判断付かないような状況になっているだろう.オレのように,あらゆる面接で本音トークしかしないという戦略が正しいと思うのだが・・・.採用後に「印象が違う!」とか,猫かぶりを続けてストレス蓄積とか,お互いに困ると思うのだが・・・.
200802271606追記:
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