大学全入時代による私大の大幅な定員割れに直面している昨今,魅力のある学部や大学院を複数の大学が共同で設置できるように,大学設置基準が改正されるようだ.「魅力のある」大学って何なんでしょうね.楽して単位が取れる大学.良い会社に就職ができる,つまり,楽して就職ができる.食堂のご飯が美味しい.女の子とが多い.赤い門がある.そんなところでしょうか.たぶん,ニーズに合っていないんだと思います.下を見続けると切りがないので,これはこの程度で.
改正のポイントは学生の所属と学位の扱い。現行でも可能な「連合大学院」は大学院博士課程に限られるうえ、学生は一つの「主幹校」に所属し、授与される学 位も主幹校のもの。このため、主幹校以外の大学には「同じ苦労をしても評価されない」との不満があった。今回の改正では、共同学部・大学院の学生は参加す る全大学に所属し、学位は各大学連名で授与する形を検討している。
ぬぁ!ついに謎が解けた!オレが何故に連合大学院所属ではなかったかがわかった!そういうことだったのか.修了間際になって,やっと自分の所属している組織を理解した.今の今まで,色々な人に尋ね続けたが,誰一人として,適切に回答をした人はいない.それは事務や教学課でもだ.運営母体が理解し得ない組織になってしまうのが,連合大学院という組織だ.ダメの固まりだ.
閑話休題.新しい共同学部・大学院の場合,学生・院生はその全ての大学に所属し,学位は連名となるらしい.これはつまり言うなれば,既存のキャンパス内に,異なる新しい大学を設置することと同義だろう.学生側はこれで問題ないだろうが,経営側はどうだろうか.教員をどのように配置するのか.共同学部ではない従来の学部はどうするのか.これは結局のところ,緩やかな統廃合を推し進めることになるのではないだろうか.
例えば,こうだ.天麩羅大学と牛丼大学と寿司大学が共同学部として,醸造工学部を設置すると仮定しよう.この醸造工学部を卒業すれば,天麩羅大学と牛丼大学と寿司大学の連名で学位が授与されることになる.それはつまり,天麩羅・牛丼・寿司大学醸造工学部と大差ないのではないだろうか.とするならば,天麩羅大学と牛丼大学と寿司大学が共同出資で,酒造大学を設立し,醸造工学部を設置することとあまり違わないように感じる.どう違うんだろうか.
システムは面白いし,学生側から見れば歓迎すべきことだと思うが,上手く行くかどうかは怪しい.連合大学院がわずか3年で統合されてしまい,結果として消滅したように,同じ末路を辿る懸念がある.「連合大学院を作ってみました!(2年後)失敗っぽいんで,やめますね!」で,経営側はいいかも知れないが,中の人間はそれでどれだけ苦労を強いられているか分かっているのか.
設置は計画的に.