文章は接続詞で決まる

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文章は接続詞で決まる

文章は接続詞で決まる
著者: 石黒圭
価格: ¥798(税込)
出版社: 光文社 (2008/9/17)
ISBN-10: 433403473X
ISBN-13: 978-4334034733

やっとこ読み終わった.真面目に読もうと思うと,かなり重苦しくて進まない.説明を読んで,例文を読んで,再び説明に戻って理解し,例文を確認する.この工程を繰り返すことになるので,単純に普通の新書に比べて約2倍の時間を要することになる.ぐふー.こんなペースではいつになっても読み終わらず,未読本が積み重なる一方なので,途中から飛ばし読みに切替えたので,中間部の理解は薄いかも知れない.でも,中間部は辞書的な理解でもいいかもしれないと思ったので,果敢に飛ばしてみた.事実,索引が付いているので,辞書的な活用ができるようになっている.この本はセマンティックWeb的なアプローチで知識獲得やら文書解析やらを発言ネガ/ポジ分析やらをやろうとしたとき,基礎中の基礎として役に立ちそうだ,直感で理解して,購入した.正に,情報考学だ.Passion For The Futureだ.

この本は全11章で構成され,そのうち第3章~第6章を使って,接続詞の分類を行っている.また第7章では文末の接続詞,第8章では話し言葉の接続詞について述べている.

本書では,接続詞を大きく四つのタイプに分けます.「論理の接続詞」「整理の接続詞」「理解の接続詞」「展開の接続詞」です.また,特殊なものとして「文末の接続詞」と「話し言葉の接続詞」を取り上げます.

文章は接続詞で決まる p.56 ll.4-6

当然ながら,いつも当たり前のように使っている接続詞をこのような形で見直すと,不思議な気分になる.書いてあることは至極当然のことで,どこかでそうだと直感で理解して使っているのだろうが,改めて文章で説明されると,「なるほど.奥が深い」と再認識させられる.各章で各接続詞がどのように説明されているのかについては,実際に読んで理解して頂きたい.ここでは,その中でも特に注意したい点について,引用したい.

「しかし」は逆接の接続詞の万能選手であり,逆接なら何でも使える便利な形式です.(中略)にもかかわらず,「しかし」一辺倒で押しまくり,文章を平板にしてしまうのは,あまりに惜しい気がします.「しかし」が筆癖になっている人は,他の逆接の接続詞で表現できるよう,ぜひ意識的にトレーニングしてみて下さい.

文章は接続詞で決まる p.85 ll.3-8

しかし,「しかし」を使ってしまう.難しい.だが,そこに甘んじてしまってはならない.常に注意し,気を配りたい.でも,継続できるだろうか.(良くできた例文かな?そうでもない?)

第8章の「話し言葉の接続詞」はとても面白く読める.その中でも,p.188にある「よく使う接続詞で隠れた性格がわかる」は興味深い.血液型で性格分類してる場合じゃないぞ.こっちは理論的に説明が付く.面白くも恐ろしい.オレはどんな接続詞を好んで使っているのだろうか.自分では分からない.過去のブログや論文やらを構文解析すれば分かりそうなもんだが,分かっちゃうのは怖いのでやらない.どの接続詞を好んで使う人が,どのような性格だと述べられているかについては,ここでは触れない.実際にこの本をボクのアフィリエイト経由で買って,確認して下さい.

なかでも,全体の半分近くを占めるのが「で」です.講義や講演を聞く機会があって,その話が退屈なとき,一度「で」の数を数えてみるとよいでしょう.その量の多さに圧倒されるはずです.

文章は接続詞で決まる p.190 ll.6-8

耳が痛い.痛すぎて難聴(ちがっ.それ,知ってます.自覚してます.でも,止められない.大麻よりも依存性が高そうです.この「で」という接続詞は,使いやすすぎるんです.気をつけてないと「で」一辺倒になってしまう.だからといって,「で」を使わないで講義をするのも難しそうだ.要は適切な量を適切な場面で使えってことですかね.接続詞って難しい.

まとめ:
人に読まれる文章を書く人は一読して損はないと思います.論文のような特殊かつ論理的な展開を求められる文書を書く場合には,役立つ知識が多く書かれています.だからといって,すぐに実践できるかと言ったら,そんなわきゃないわけで.そのためのブログだよ.ブログでいっぱい文章を書いて,本番に備える.何事も練習が肝心.間違って,正されて,また間違って,学ぶ.それを繰り返して,より良い文書を書けるようになれば良いんではないでしょうか.そして,接続詞は奥が深い. 

最後に第1章の終わりに書かれている言葉を引用して,締めたいと思います.

じつは,人間が言語を理解するときには,文字から得られる情報だけを機械的に処理しているのではありません.文字から得られる情報を手がかりに,文脈というものを駆使してさまざまな 推論をおこないながら理解しています.わかりやすくいうと,文字情報の中に理解の答えはありません.文字情報は理解のヒントにすぎず,答えはつねに人間が考えて,頭の中で出すものだということです.

文章は接続詞で決まる p.32 ll.6-10

だからこそ,我々は誤解無きように言葉を慎重に選ばなければならない.適切な接続詞を選んで,読者の理解を促したい.一度発せられた言葉を解釈するのは聞き 手であって,話し手がどのような背景でその言葉を紡ぎ出したかまでを推測してくれるとは限らない.言葉と言葉を適切な接続詞で繋いで.

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