今更だけど,やはり学会に出て行くときにはそれなりの勉強をしてから行くべきだと思います.振る舞いとか所作とか.なので,はじめて学会発表(卒研発表等を含む)をする人に読んで欲しいです.読みやすくはないと思うけど.
たとえば,プレゼン方法にしても,意識してできないのと,無意識でやらないのでは大きく違うと思う.発表を聞いていて大変耳について,1度気になり始めるとそればかり気になって全く耳に話が入ってこなくなることがある.冒頭の「で.」とか,「えー」である.これは強く意識すれば出ないようにできる.強く強く意識する必要があるが,止めることはできる.それをしないのは,やはり単純に練習不足だし,指導不足だと思われる.あとは知っておいて欲しいこととして,聴衆はその発表が聞きたくてその場にいるということを理解しておくべき.だから,お客様に失礼がないように.かといって「これから○○について××が発表させていただきます」なんておかしい.「これから○○について××が発表いたします」で十分.日本人らしく謙りすぎ.もっと自信を持って堂々と!
プレゼン全体で言えば,誰に向かって喋っているのだろうか.手元のパソコンだろうか?それとも大きなスクリーンだろうか.聴衆は誰だろうか?研究発表は何のためにするのだろうか?誰のためにするのだろうか?確かに,初めての学会発表で聴衆に目線を向けて語りかけるように話すなんて,簡単なことではない.だからといって,できないわけでもない.たまにチラッとでも会場に目をやるくらいはできると思う.聴衆の反応を見ながら話せるようになると,かなりグッド.
それから,レーザーポインターの使い方.人間というのは動いてるものを追いかける習性があるので,レーザーポインターがあっちこっち動いているとそれを追っかけてしまい,どこを見てるのかわからなくなる.よく考えて欲しい.指し棒だったら,その動きはできないでしょ.レーザーポインターだからこそできる動きであって,それは大変に見にくいです.レーザーポインターの使い方としては,注視して欲しい箇所を一点指し示すのが正しい.某K研究室の教えでは,レーザーポインターは腰で構えるそうです.そうすると手が震えないので点がぶれないということだそうです.
それから基本的なパソコンとプレゼンツールの使い方は学んでおくべきだろう.単純なところでは,プロジェクタに出力する方法を知らないなんて・・・.というか,セッションが始まる前に接続確認をしておくとか,基本中の基本だと思うのだが・・・.いや,それを言い始めると,セッション開始前に座長に挨拶に行くのも基本だよなぁ・・・.閑話休題.前発表者終了からPCつなぎ替えて画面出力をするところも自分の持ち時間に含むという考え方が世の中にはある.ここでもたつくのはダメです.迅速に切り替えてください.聴衆を待たせているという事実をクールに気づいてください.プレゼンツールの使い方も大事.ここではパワポの使い方を説明するが,フルスクリーンへの切り替えはF5.メニューをさがして回るとか恥ずかしい.スライド送りは→キー.戻るは←キー.現在表示しているページをフルスクリーンはShift+F5.フルスクリーン中に指定ページにジャンプするのは,数字+Enterキー.たとえば「スライド25をお願いします」といわれたら,25+Enter.発表が終わり質疑応答になったら,何を画面に表示しておくか?「スライドショーの最後です.クリックすると終了します.」という黒い画面か?「ご静聴ありがとうございます」という謎のスライドか?どちらも恥ずかしい.最終スライドに発表者のコンタクト情報を書いておいて,それを表示するとか,質問しやすいようにスライド一覧を表示するとか,気を利かせて欲しい.自分がされてうれしいことを他人にもしてやればいい.あー.それから,パワポ最大の注意点はリハーサル.リハーサルを実行するとスライドをめくるタイミングを全部記録してくれるのだが,練習回数が少ないうちは同じように話せるわけではなく,練習では口に出して練習しないので早口想定になったりして,本番ではスライドが勝手にバンバンめくられてしまったりする.そうならないように,リハーサルを実行するときは注意深く.
質疑応答も大事.研究室内部での発表練習では,質問する側もされる側も全くなにも意識していない.だから,どう立ち振る舞っていいのかわからないのだろうか.少なくとも,学会発表で質問が来るということは,その発表に興味を持ってくれたから質問していただけるわけで,それに対する対応が「今後の検討課題にします」なんて失礼千万です.いや,「今後の検討課題~」はオレも使うし,実際そうとしか返しようがない場合もあるわけだ.しかしながら,質問者に敬意を払い「なるほど.○○の××については△△で十分かと考えますが,▲▲の□□に与える影響については考慮していませんでした.おそらくは☆☆だと思いますが,まだ未検討です.今後の検討課題とさせていただきます.ありがとうございます」くらいは言って欲しいです.自分の意見を述べて欲しいです.コミュニケーション拒絶なんて,お互いにとって悲しいです.
まとめ:
しっかり練習して!
200911060004追記:
要するには学会から学ぶべきことが多くあったんじゃないのかなと.反省すべき点が多々あったんじゃないのかなと.そう思うわけです.
200911070949追記:
Twitterからいくつかコメントが!Twitterちょー便利!コメント欄なんていらないじゃんね.
@k4403 ぶっちゃけた話、指導者が知らないと誰も知らないと思うので、学会等で先生方向けに講習会やるのが一番いいと思います。本当に。
そうなのかもしれません.プレゼンのスキルも学生指導の一環ですから,当然に指導教員の指導範囲だと考えられます.でも,どこでやればいいんだろう・・・.そういうセッションを設けてもらえばいいのかな?研究会ならできそう?別件ですが,論文の書き方もちゃんと指導するべきで,IS研究会はその手の活動を毎年1回程度行っています.過去の実績の一例.まだ未確定ですが,IPSJ72(2010年3月9日~11日)内の企画にも入っています(たぶん).宣伝.
@k4403 発表スタイルが一番研究室によって違う気がします(よい悪いだけでなく).意外にプレゼン発表に力を入れない研究室も多いのかもしれませんね.いや,私も下手糞なんですけどねーorz.とりあえずページ数は入れてほしい.
なるほど,研究室毎に違うですね.わかります.個人的には研究室内でもさらに違うと思っていて,本当の意味で細かい分野ごとの違いによるのではないかと思っています.なかなか画一したプレゼンスタイルというのは提案しにくいのですが,基本的な姿勢は変わらないかと思っています.大きな声で堂々と.うーん.どこかで,「大きな部屋の後ろにボスが座って,前で発表をするんだけど,声が聞こえないと言われて,大きな声でハキハキと喋る練習をさせられて」というエピソードを読んだことがあって,それをリファしたいけど,見あたらないorz.
ページ数を入れておく話は書き忘れを思い起こされたので,追記.ページ数を入れておいてください.質問者が質問しやすくなります.質問の時に「えーと何ページだったかな?ページを順番にめくってください」なんて言われて,アニメーション大量で,ページ送りが大変なんて泣ける.ページ番号があれば,質問者はページ番号を記録しつつメモをとると思うので,質問の時のコミュニケーションもしやすい!