買ってみた.都内への行き帰りで読んでいるので,まだ半分しか読めていないが,既に900円分の価値はあった.帯の煽り文句が「アメリカの大学生・研究者のバイブル」となっているが,嘘偽り無しだ.この和訳本を機会に,「日本の大学生・研究者のバイブル」となることを期待したい.そのために,オレが率先して啓蒙しなくては.
まずは序論に書かれている,とても大事な言葉を引用したい.
<口頭科学発表>は,単なるノウハウや「こつ」ではなく,努力して習得する専門技能なのである.生まれつき素晴らしい発表のできる人間は,まずいない.だが,ほとんどの学生は,経験と正しい指導によって,発表の技術を劇的に向上させることが可能なのである.
p.21 ll.7-9
プレゼン能力は練習によって養われる.練習すればいいのに!練習だって,ただ喋ればいいわけじゃない.多くの聴衆の前で,様々な意見を貰うことこそが重要だ.そして,「正しい指導」を受けることで,発表技術は劇的に向上するのだ.その「正しい指導」を行うのは誰だ.オレだ.そして,この本だ.「公聴会で発表時間を大幅に超えたヤツが何を言っているんだ」と言われそうだが,理論は知っている.理論を知ることは大事だ.後は実践するのみだから.
まだ読み終わっていないので,この程度のレビューだ.だが,この本の素晴らしさは,立ち読みのチラ見でも明らかになるだろう.修士生には,理科系の作文技術と共に必読書としたい.
ちなみに,2008年3月9日22時30分時点において,amazon売上ランキングのブルーバックスで2位,科学・テクノロジーで14位だ.売れに売れている.みんなが知ってしまう前に,君が一歩,抜きに出るチャンスだ.