企業を経験しておいた方がいい

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博士卒からダイレクトに大学教員になったわけだが,多くの人にこういわれる.「1度は企業を経験しておいた方がいい」って.オレもそう思う.そう思うが,それは可能だろうか.

博士卒がみんなみんな一旦企業に入って,それから大学教員になったとしよう.20代後半から30代前半の若手教員は大学からいなくなってしまうではないか.大学は社会も知らない若手の力は必要としていない?そんなことはない.空白の世代が恐ろしいことは,団塊世代の一斉退職でもう分かったであろう.

じゃぁ,博士卒で大学教員になって,それから企業に行くのか.雇ってくれますか?どうやって雇われますか?博士卒ですら「扱いにくい」とか「プライドが高い」とか「コミュニケーション能力が」とか言われているのに,博士卒+大学教員なんて,さらにひどい評価を受けそうだ.企業からは「使い物にならない」レッテルをベタベタと貼られることは間違いなくて,どうやって雇われるだろうか.仮に雇われたとしても,それは研究所や研究職で,それって,たぶん,みんながいう「企業を経験してこい」ってのとは違いますよね?ただ企業にいけばいいわけじゃないですよね?

まとめ:
「企業を経験しておいた方が良い」という一般論は理解するが,それが全てだとは思わない.可能性を開くという信条からは同意できるが,社会はそれを許容するのだろうか.博士がワーキングプアとは上手く言ったものだ.社会的に成熟するべき時期に腐っていたといっても過言ではない.なんと言っても,入院生活5年ですから.

って,10月のオレが書いたようです.これも未公開お蔵入りエントリのサルベージです.特に問題がないんで,誤字脱字を修正して,そのまま公開.

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