タグ「人生」が付けられているエントリー

発症から5ヶ月のまだまだ初心者がUCを語るよ

| 発症から5ヶ月のまだまだ初心者がUCを語るよ

定期的に書いているような気がするけど,UCについて色々と試しているので,その経験を公開していこうと思う.今後もUC罹患者は増えていくだろうから,参考にすると良いと思う.ただし,UCは難儀で,人それぞれ様々なので,他の人の経験がオレに役立たないことがあるし,その逆も然り.あくまでオレの体験談です.

対象者:発症時29歳,現在30歳,男,嫁募集中,寂しがり屋.発症時は全大腸型初回発作型中等症.現在は寛解維持期.特定疾患医療受給者証持ち.処方薬はペンタサ錠500mg×2を朝晩,ラックビー微粒N1g×2を毎食,ペンタサ注腸1gを週2回が基本.

5ヶ月もUC生活してると,色々な経験をするわけで,だんだんとこの病気との関わり方が分かってきました.今のところ,寛解期においてほぼこれは間違いないだろうというのは以下の通り.

  • 疲れ,特に寝不足を原因にして悪化する傾向にある.
  • 食べ過ぎなければ,食事でどうこうなる傾向はない.
  • 基本的に食べられない物はなさそうだが,油物と香辛料は控えている.
  • アルコール類も2杯程度なら許容できる.ただし,積極的には飲まなくなった.
  • ペンタサ注腸の効果は絶大でありペンタサ錠に比べて即効性がある.面倒くさいのが難点.

発症してから2回出張したのだが,そのいずれにおいても体調を崩している.1回目は1泊2日の短期出張だったので帰宅してから1週間程度不調が続いた.この際はペンタサの増量などの特別な対応はしなかった.2回目は3泊4日の長期出張だったため,出張中に調子が悪化傾向になったので,ペン注を持ってきていなかったこともあって,ペンタサを限界量まで増量して対応した.結果として,ペンタサを当然増やしても効果が出るまでに数日かかるので,ハッキリ言って意味が薄い.急な体調の変化に歯止めを掛けたいならペンタサ注腸を行うべきである.帰宅後にペンタサ注腸を行い,その2日後に追い打ちをかけて悪化することは食い止めることができた.

今回の件から分かったことは,ペンタサを増やすのは長期的治療には効果があるが,短期的効果は期待できない.即効性を望むならペンタサ注腸で対応するべき.というか,オレにとってはペンタサ注腸様々なので,多めにストックしておきたい.今は規定量しか処方されていないので,今度は余らせる処方をしてもらおうと思う.ペンタサ注腸は保険として最適で,オレにとっては特効薬に近い.対して,ペンタサは活動期からの寛解導入に際して素晴らしい効果を発揮したが,寛解維持期においてその活躍は見られない.即効性が無いので,寛解期における悪化が懸念される状態を押さえ込む力はない.まぁ,なんつーか,調子悪くなりたくなきゃよく寝ろって話だわな.単純に睡眠不足が悪化のトリガーを引いている気がする.

食事や飲酒に関しては,寛解期の現在において特に気にすることなく何でもできている.毎日飲むことはないし,家にいればほとんど飲まないし,外で飲むときでも精々2,3杯程度にしている.食事に関しては,カレーは未だに疑惑を払拭できないが,焼肉も餃子もステーキもすき焼きも鍋も何でもござれである.努めて避けている物は香辛料が強いもので,中華や韓国料理を含む刺激的な料理は一切口にしていない.健常なときに食べても腹を下すようなものがUCにとって何も影響を与えないとは到底思えないので,避けている.敢えて試す必要もないし,危険度は高そうなので,牛乳も試していない.乳製品では,チーズもバターもヨーグルトも問題ない.ちなみに,ラクトアイスも問題がない.

それからもう1つ大事な発見があった.実は2回目の出張の直前にサプリメントを組み替えていたのだ.従来はマルチミネラル,ケフィア,香醋だったのだが,ケフィアと香醋が切れたので,対UC向けのサプリに変更したのだ.変更後はマルチミネラル,CoQ10,シソの実油となりました.CoQ10は積極的に導入したわけではなく,たまたま試供品としてあったので組み込んだだけ.対して,シソの実油はα-リノレン酸として積極導入しました.α-リノレン酸は抗炎症作用があるほか,UC患者における摂取不足が指摘されているそうです.そのため,藁にもすがる思いで導入してみました.サプリ変更後に出張があったため,体調が悪化したわけですが,その際にこのような指摘を頂きました.

シソの実油がよくない予感です。昔飲んで腸に影響出た覚えが…。

Twitter / @shokohitsuji: @k4403 シソの実油がよくない予感です。昔飲んで ...

ということで,シソの実油が良くない疑惑が浮上したので,翌日から摂取を中断したところ,みるみる調子が良くなりました.ただ,既にペンタサ注腸の効果が出始めていたので,シソの実油による悪化だったのかどうかは切り分けができませんでした.しかし,出張2日目から調子が悪かった(1日目は移動日)ことを考えると,疲れをトリガーにした悪化とは思えず,シソの実油による体調の変化は納得するものがあります.

それからUCにとってミルミルは議論から外すことができないと思います.基本的にミルミルはUCに効果があると謳われていますが,色々な情報を勘案した結果,最近では懐疑的にみています.前身であるビフィーネMに対して,ミルミルにはDHAとラクトフェリンが入っていません.決してビフィズス菌としてのヤクルト株が無効であるとは思いませんが,ビフィズス菌としての効果を期待するのであれば,ラックビー(またはビオスリーなど)を飲んでいるわけですし,他の手段に頼る必要性が感じられません.有効成分的な話でいけば,ミルミルSは期待できるのではないかと思います.というか,プロバイオティクスとかプレバイオティクスとかの方が効果あるんじゃないかとさえ思っている昨今です.最早ミルミルはプラシーボレベルで使ってます.

以上は寛解期の話ですが,活動期の話もしておきます.ハッキリ言えば,活動期は何をしてもダメな傾向にありました.何を食べても調子が悪いです.なので,活動期に食べてダメだったものが,寛解期でもダメかどうかは再確認した方が良いです.食べれるものが多くなるのはQOLの維持に寄与します.活動期において間違いなくいえることは,医者の指示に従って,迅速に寛解期へ移行する努力を全力で行うべきってことくらいです.オレはまだステロイドを使っていませんが,ステロイド投薬量を考えると,以下に短期間で活動期を脱するかは重要なことだと思います.オレの場合はペンタサ処方限界量,ペンタサ注腸隔日で2週間程度で寛解に近い状態に移行できました.なお,この期間は治療に全力投球だったので,ほとんど寝てたし,食べ物も極力食べず,お粥と野菜ジュースとポカリとサプリメントで生きてました.腸に刺激を与えなければどうということはないので,絶食は寛解への近道であると思います.ただし,栄養バランスがメチャクチャになるので,サプリメント等で補う必要があります.まぁ,人間なんて数日くらいは完全絶食しても死にませんよ.絶食マジオススメ.

ちなみに,脱毛がペンタサの副作用として指摘されることが2ch等でままあります.オレも最初はペンタサの副作用を真っ先に疑いましたが,医薬品情報にある通り,ペンタサの副作用としての脱毛は0.1%未満だと思います.しかし一方で,UC患者が脱毛を訴える率は非常に高いのは事実であると思います.これは副作用ではなく,UCに起因する栄養摂取障害に起因するものであると思います.ぶっちゃけ,ペンタサ処方限界量でやってるときは活動期真っ盛りで,大腸君お亡くなり状態で栄養摂取がまま成らない状態であることは間違いないわけで,単に栄養不足で毛根が弱って抜けてるだけだと思います.なので,UCにおける脱毛に対する最大の努力は,さっさと寛解期に移行して,モリモリ食べて栄養を補給するに限ると思います.そんな最近においては,脱毛もほとんど気にならなくなってきました.血液検査の数値上はまだ栄養十分ではないようですが.

まとめ:
活動期から一刻も早く寛解期に移行し,寛解期を長期間安定的に維持することが基本です.寛解期であれば概ね何でも大丈夫です.ただし,上記の情報はあくまでオレという一個体のサンプルデータに過ぎませんので,他のUC患者でも同じとは限りません.参考程度に.

関連:
食事と炎症性腸疾患(IBD)発症リスクの関係: 潰瘍性大腸炎istのブログ
乳酸菌食品・乳酸菌の種類と機能_|アライブ!サプリメントカフェ
潰瘍性大腸炎対策Ver.0.92 - MSTN
草はみの潰瘍性大腸炎・クローン病最新情報 : 脂肪酸の摂取内容の違いで潰瘍性大腸炎の発症リスク上下

10月19日から21日まで岡山のママカリフォーラムで開催されるCSS2010の初日夜にはキャンドルスターセッション(CSS×2.0)が行われます.今年も発表予定です.会場に来られない方も大勢いらっしゃることかと思いますので,発表資料を公開したいと思います.そもそも発表時間がシビアらしく,バンバン飛ばしていくので,会場に来る人は予習して笑うポイントを見つけておくように!

UCオラクルの構成と UC安全性証明

なお,この発表資料は発表予定のものであり,発表直前まで修正が繰り返される可能性が高い(takesakoメソッド)です.

3月末に受けた顎骨嚢胞摘出術の続きです.続きというか,この一連の治療を終わらせる最後の一手を待っているわけですが・・・.

現状:
診断上,拇指頭大の上顎骨嚢胞を摘出した.その際に,右上1,2番の歯根端を数mm切除している.嚢胞に吸収された顎骨部が直径20mm程度欠損しているので,顎骨が形成されるのを待っているなう.

方針:
右上1-4番は抜随されているため,補強が必要.特に,1,2番は神経が死んでから20年近く経過しており,ダメージが蓄積しているので,割れないうちに差し歯としたい.割れた場合は抜歯してインプラント.

執刀医の判断:
欠損部が大きいので,顎骨再形成まで年単位が必要とのこと.差し歯を入れることには消極的で「まだいける」と判断している.漂白を推奨している.

掛り付け医の判断:
ヒビが入っており,割れることが懸念されるため,差し歯を推奨している.漂白は消極的.ただし,差し歯を行うには,顎骨の再形成が必要との判断.理由としては歯根端切除しているので,差し歯にしても強度不足が懸念されるため.

結論:
「じゃぁ骨ができたら入れましょう」っておい!数年掛かりの治療かよ!壮大な計画だな!

今日は人生で2度目の大腸内視鏡検査(CF)の日でした.2回目となれば,最早常連様です.慣れたもんです.今回は前回の経験を活かして,全力で勝ちに行く戦略で挑みました.これからCF検査を受ける方は,病院からの指示を逸脱しない範囲で,この通りに実施されると楽ではないかと思います.参考にして下さい.

戦略:
最速で図5の状態(固形物が混じらない黄色透明な水溶便)に移行した者が勝ち(検査順が早くなる的な意味)なので,最速で図5の状態に移行することを主戦略とする.

検査前日:
病院からの指示は以下の通りである.

  • 朝食・昼食は消化の良いもの
  • 夕食は午後7時までに素うどん又はおかゆを食べる
  • 午後8時にラキソベロン全量をコップ1杯の水に薄めて飲む

基本的にはこのままで良いと思いますが,主戦略を考慮すれば,食べなきゃ便は出ないので,早い段階から絶食状態に突入するのがよいと思われます.そのため,今回は朝食を最後の食事として,昼は抜いて,夜はウイダーインゼリー2つとミルミルとアクエリアスでやり過ごしました.完全絶食でも良いと思いますし,野菜ジュースや飲むカロリーメイトゼリーを組み合わせても良いんじゃないかと思います.続いて,ラキソベロンという下剤を水に薄めて飲みます.これは便通を良くし,翌日の洗腸剤が楽になるように助ける役目だと思います.摂取してから7~12時間程度で効果が現れるらしいので,指示通りに午後8時に飲みました.結果的に,深夜3時に便通がきました.ちょうど7時間です.消化速度から見ると,絶好腸なんですけどね.

水分は日中にポカリ900ml,夜にアクエリアス1500ml摂取しています.たぶん,こんなに摂取する必要はないです.前日から翌朝までに2リットル程度で良いかと思います.単純に水でも良いと思いますが,オレはアクエリアスの粉末を倍に薄めて使っています.

通院まで:
起床後から通院までは,適当に水分を摂取します.オレは残ったアクエリアス500mlをグビグビして終わりです.基本的に,絶食をしているので,スポーツドリンク系で栄養素を補うべきではないかと思います.

検査前:
通院先の病院では,みんな集まって,洗腸剤ムーベンを仲良く飲みます.これをムーベンレースと勝手に名付けて楽しんでいます.最速でムーベンを飲み干した人が勝ちです.実際は最速で図5の状態になった人が勝ちだと思うのですが,みんなチェックシートを見せてくれないので・・・.というか,殺伐としているので・・・.レースだと思ってるのはボクだけです・・・.みんな脳内で巻き込まれているだけです.

閑話休題.ムーベンまずいです.前回は1700ml程度でリタイアしたようです.前回は初めてだったのと,ポカリと味比べをしてしまったのが失敗でした.基本的にムーベンはまずいので,それよりも美味しいものと一緒に飲もうと考えること自体が間違いです.ですので,今回は中盤までポカリを温存する作戦に出ました.また,味わって飲まずに,ゴクゴクと一気に飲み干してしまうのが良いと思います.前日から絶食をしているので,ムーベン程度のまずさではゴクゴクと飲めてしまいます.実際には,コップ1杯を飲み干し,すぐに歩き回って,1周したら戻ってきて,また1杯飲んで・・・を繰り返しました.結果としてはこれがなかなか良かったようで,15分毎に排便があり,図5の状態には3回の便で移行し,おそらく最速で図5に到達したのではないかと思います.なお,ムーベンレースは2位完走でした.トイレのタイミングで逆転されました.

結果:
検査最速枠をゲットしました!やったー!早く検査が終われば,早く帰れるし,早くご飯が食べられるよ!

CF検査:
前回に比べて,大幅な改善が見られました.まず,全大腸に広がっていた炎症が,限局しています.具体的には,上行結腸,肝湾曲,S状結腸,直腸のそれぞれ一部分に限局しています.特に,前回の診断では右側(上行結腸と肝湾曲)が酷かったらしく,それと比べて,大幅に改善していました.これは現在の症状と合致しており,良い方向に向かっているようです.これを以て,UCは寛解期に入ったと言えるようです.ただし,上行結腸と肝湾曲の炎症部においては易出血性であり,まだ十分とは言えない状態でした.

結果としては良いものでしたが,期待していた結果とは違いました.UCは下側から上側に進行すると言われているので,当然ながら,治るときは上から下に向かって治ると思っていたのですが,どうもそうではないようです.もしも,下側だけの問題であれば,ペンタサからアサコールに切替えて,ペン注を切る方法を打診したいところだったのですが,上に炎症が残っているのであれば,アサコールに切替えるのは不安です.また,上側だけであれば,ペンタサだけで戦えますが,下側に炎症が残っているので,ペン注を止めるわけにはいきません.というわけで,診断結果は良かったんですが,治療は何も変わらず,現状維持になりました.もっと積極的に戦っていきたい.

なお,外痔核だけだと思っていたのですが,今回のCF検査で内痔核もあることが判明しました.ある意味では,UCよりも痔の方が重篤ですorz.

まとめ:
UCが寛解期に突入.ペンタサ4錠/日,ラックビー2g/食,ペン注2本/週,強ポス1本/日の現状維持です.病状変化は期待されないので,次回は2ヶ月後になりました.通院頻度が減るのは嬉しいのですが,反比例して薬局でもらう薬の量が膨大になりました.今回に至っては,持って帰れない量だったので,取り急ぎ必要なラックビーと強力ポステリザンの一部だけもらって,残りは明日引き取ることにしました.あんな大量の荷物は晴れの日に持って帰るのが良いよね.

関連:
はじめての内視鏡検査 - 4403 is written
UCの医療情報を公開してみる - 4403 is written
「ニフレッ子への手紙」が秀逸 - 4403 is written
痔について - 4403 is written

201009292322追記:

IMG_1460.JPG

単純に重いです・・・.

発症からペンタサ減量開始までの経過はこちらペンタサ減量中の経過はこちら2回目のCF検査までの経過はこちら

特記なき場合は,体温・体重は朝の測定,ペンタサは4錠(2000mg)/日,便1回.

次回通院用の記録.H20.10.22の血液検査(空腹時).GOT 21IU/l,GPT 31IU/l,γ-GTP 38IU/l,尿酸 7.4mg/dl,中性脂肪 111mg/dl,総コレステロール 166mg/dl,HDL-col 52mg/dl,LDL-col 94mg/dl,白血球数 5700/μl,赤血球数 529万/μl,ヘモグロビン 16.0g/dl,ヘマトクリット 51.3%,HbA1C 4.8%.

  • 9月29日 36.5度,66.1kg.ペン注29.
  • 9月30日 36.7度,66.3kg.
  • 10月1日 36.4度,66.0kg.
  • 10月2日 36.6度,65.9kg.ペン注30.朝昼1回ずつ.
  • 10月3日 36.5度,65.6kg.
  • 10月4日 36.6度,66.0kg.
  • 10月5日 36.4度,66.0kg.便秘.
  • 10月6日 36.4度,66.2kg.ペン注31.
  • 10月7日 36.6度,66.1kg.
  • 10月8日 36.5度,66.1kg.
  • 10月9日 36.6度,66.0kg.ペン注32.
  • 10月10日 36.4度,65.9kg.軟便.
  • 10月11日 36.5度,65.6kg.
  • 10月12日 36.5度,65.8kg.
  • 10月13日 36.3度,66.9kg.ペン注33.昨日は食べすぎた.反省している.
  • 10月14日 36.3度,66.6kg.
  • 10月15日 36.4度,66.1kg.
  • 10月16日 36.5度,66.0kg.
  • 10月17日 36.5度,65.5kg.ペン注34.
  • 10月18日 36.1度,65.9kg.便4回.回数が増えるのは良くないし,出張中なので,明日からペンタサ増量する.
  • 10月19日 35.9度,66.0kg.ペン8.いつもと違う測定機器です.
  • 10月20日 35.3度,67.0kg.便2回.ペン8.両方ともヤバイくらいに変化してますが・・・.計測機器の所為だよね?
  • 10月21日 36.1度,66.6kg.便3回,下痢.ペン8.ペン注35.
  • 10月22日 36.3度,66.7kg.ペン8.ペン注効果は絶大だ!
  • 10月23日 36.2度,66.4kg.ペン4.
  • 10月24日 測定機器無し.便2回.ペン4維持.ペン注36.
  • 10月25日 36.4度,66.2kg.便3回,下痢.昨晩ペン注を実施するも2時間しか持たなかった.
  • 10月26日 36.4度,66.2kg.下痢.
  • 10月27日 36.5度,66.4kg.渋り便.ペン注37.サプリの「シソの実油」が悪いのではないのか疑惑が浮上したので,摂取中断してみる.
  • 10月28日 36.4度,66.2kg.
  • 10月29日 36.4度,66.4kg.
  • 10月30日 36.4度,65.9kg.ペン注38.色々対策を並行しているので切り分けが困難ですが,「シソの実油」を止めてから調子が良いのは事実.
  • 10月31日 36.6度,66.0kg.
  • 11月1日 36.6度,66.1kg.
  • 11月2日 36.4度,66.7kg.ペン注39.
  • 11月3日 36.3度,66.5kg.便秘.
  • 11月4日 計測機器なし.ペン注40.
  • 11月5日 36.4度,66.5kg.多少粘液があるような無いような?
  • 11月6日 36.5度,66.6kg.ペン注41.
  • 11月7日 36.6度,66.3kg.便2回.
  • 11月8日 36.3度,66.0kg.
  • 11月9日 36.6度,66.4kg.
  • 11月10日 36.5度,66.4kg.
  • 11月11日 36.5度,66.9kg.昨晩ペン注の実施を忘れたorz.ペン注42.
  • 11月12日 36.4度,66.9kg.体重が増加傾向.少し減らしたい.
  • 11月13日 36.6度,66.7kg.うーん.
  • 11月14日 36.7度,66.9kg.ペン注43.夜1回.体温上昇と体重増加と傾向的に良くない.どちらかを止めないと.
  • 11月15日 35.6度,65.9kg.便秘.
  • 11月16日 35.7度,66.6kg.便秘.通院.

淡々と書きますが,興味ない人はスキップして下さい.

8月末に特定疾患医療受給者証を交付されました.同封されていた医療費支給申請を行ったまでは良かったのですが,うっかりハートフレンド割引の特権を行使し忘れていました.ハートフレンド割引をざっくり説明すると,いわゆる障害者割引です.しかしながら,加入条件は以下のようになっています.

  • 個人契約であること
  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、特定疾患医療受給者証、特定疾患登録者証いずれかの交付を受けていること
  • ホワイトプラン、もしくはホワイトプラン(i)に加入していること
  • 同一名義の別回線にて、ハートフレンド割引もしくはプライオリティサポートの適用がないこと
  • 当サービスの対象となるお客さまが使用者として使用者情報が登録されていること

ハートフレンド割引 | ソフトバンクモバイル

というわけで,障害者のみならず,特定疾患でもokという懐の深さです.嬉しいです.難病冥利に尽きます.ちなみに,ドコモのハーティ割引auのスマイルハート割引については,特定疾患は対象外になっています.優しくない企業だと思います.心が優しくないというか鬼というか.

余所は余所,ウチはウチ.ところがどっこい,今日までこの権利を行使するのを忘れていました.そこで思い出したが吉日ということで,医療券をもってSBMショップに行ってきました.この手続きは,オンラインや電話ではできません.

手続き自体は簡単で,医療券を提示するだけでokです.これだけで,基本使用料が無料に,パケ放の下限が0円になります.なので,iPhoneのiPod touch化を行うにはベストな環境かと思います.残念なことにパケ放の上限は余裕で突破するんですけどね.しかしながら,基本使用料980円分は安くなるので,ちょっと嬉しいです.

先日の医療券取得に伴って,申請日から医療券が届くまでに支払った医療費を還付申告することができます.各医療機関ごとに申請書が必要になりますが,病院での診療代が月5770円を超えていませんでしたので,今回の申請では処方箋薬局のみとなります.薬代は全額還付されるので,申請してみたいと思います.申請書を薬局に持ち込んで書いてもらいます.すぐには書いてもらえず,預けて翌日に受け取りました.文書料は300円でした.申請書は以下の通り.

100903_application01.jpg

7月が1回で7010円,8月は2回で21830円を支払ったようです.28840円が還付されます.ただし,文書料300円と切手代80円がかかっているので,手元には満額が残りません.うーん.世知辛い.

ちなみに,ポストに投函してから気づいたんですが,押印を忘れました.ショックで夜も眠れません.

201010151031追記:
押印を忘れたと思ったのですが(たぶん忘れているんですけど),無事に受理されたようです.

101014_determination01.jpg

嬉しいです!

100901_medical_pass01.jpg

7月20日に行った難病医療費等助成制度申請の結果,公費受給対象に認定され,医療券が交付されました.これでUCの治療を受ける際は,外来で月5770円,入院で月11550円が上限となります.また,院外処方箋による薬局での支払いは不要になります.実に,薬代がバカにならないほど高い(諭吉さん1人ではおつりがでないどころか足りない)ので,大変な負担軽減となります.皆様の税金を頂いて,治療を受けさせていただきます.

医療券の有効期限は申請した7月20日から,翌年9月30日までで,1年ごとの更新となります.軽快者と認定されると,医療券ではなく特定疾患登録者証が交付され,公費受給対象ではなくなります.皆様の税金を頂く必要がなくなるのは,いつのことでしょうか・・・.

医療券は昨日届きましたが,有効期間の開始日である7月20日から医療機関や薬局で支払いがあった場合,医療費支給申請書によって,還付を請求することができます.調べによると,病院での支払いは月額自己負担限度額に達していませんでした.やはり,大腸内視鏡検査でもやらなければ,そう簡単に上限には届かないようです.ただし,薬局での支払いは申請によって全額還付されます.申請しなくては・・・.

関連:
はじめての難病医療費等助成制度申請 - 4403 is written

闘病記録が長くなったので,通院毎にエントリを立てることにする.理由は簡単で,診察時にこれを見ながら状況説明するからである.

発症からペンタサ減量開始までの経過はこちらペンタサ減量中の経過はこちら

  • 8月24日 1回.便秘.ペン4.朝36.5度,66.2kg.通院,かゆみはペンタサの副作用ということで,クラリチンレディタブ錠10mgを1錠/日で様子を見ることに.便はそんなもんで,問題ないだろうとのこと.トウモロコシ行方不明事件は分からないとのこと.
  • 8月25日 1回.軟便.ペン4.ペン注19.朝36.7度,66.0kg.
  • 8月26日 1回.便秘.ペン4.朝36.3度,66.0kg.
  • 8月27日 1回.便秘.ペン4.朝36.5度,66.2kg.クラリチンは飲み忘れた.
  • 8月28日 1回.ペン4.ペン注20.朝36.5度,66.4kg.
  • 8月29日 2回.ペン4.朝36.4度,66.4kg.
  • 8月30日 便秘.ペン4.朝36.5度,66.0kg.
  • 8月31日 1回.便が黒い.ペン4.朝36.2度,66.2kg.平熱と言ってもよいくらいの体温が出るようになった.医療券が届いた.公費受給対象に認定されました.
  • 9月1日 1回.ペン4.ペン注21.朝36.5度,66.6kg.S状付近に軽い腹痛あり.
  • 9月2日 1回.便秘.ペン4.朝36.3度,65.8kg.便通悪い.ガスがたまり気味.午後は常にゴロゴロ状態.
  • 9月3日 1回.ペン4.朝36.6度,66.1kg.ガスがたまり気味.午後はゴロゴロ状態.夜にトウモロコシマーカ投入.
  • 9月4日 1回.ペン4.ペン注22.朝36.8度,66.3kg.トウモロコシマーカ観測,消化時間およそ10時間.
  • 9月5日 1回.ペン4.朝36.7度,65.6kg.トウモロコシマーカ観測.
  • 9月6日 1回.ペン4.朝36.4度,65.7kg.
  • 9月7日 1回.ペン4.朝36.6度,66.2kg.クラリチンの服用を中止してみる.
  • 9月8日 1回.ペン4.ペン注23.朝36.5度,66.2kg.夜飯はカレーに挑戦した.
  • 9月9日 1回.ペン4.朝36.4度,66.2kg.右の二の腕が赤くなっていて痒い.虫さされ・かぶれか?それともクラリチン服用中断によるペンタサ副作用の発現か?カレーはダメではないか疑惑.しばらく控えます.
  • 9月10日 1回.ペン4.朝36.5度,66.0kg.
  • 9月11日 ペン注24.朝36.6度,66.2kg.今日から便と服薬は特筆すべきことがなければ省略します.基本は便1回にペン4です.
  • 9月12日 朝36.5度,66.2kg.前日より,目の痒みと充血.お腹ゴロゴロ状態.
  • 9月13日 夜1回,便秘.朝36.3度,66.3kg.
  • 9月14日 朝1回.体重計と体温計がないです><.昼に食べたカレーが超辛かった.身に危険を感じているので,1日前倒しでペン注を実施する.ペン注25.
  • 9月15日 朝36.6度,66.3kg.
  • 9月16日 朝36.7度,65.8kg.調子悪い.
  • 9月17日 朝36.3度,66.0kg.
  • 9月18日 ペン注26.朝36.4度,66.0kg.昨日より便量増加.上行に違和感.痔が再発.
  • 9月19日 朝36.6度,65.7kg.便秘だが,昨日は食べていないので問題ない.痔が最高に痛い.
  • 9月20日 朝36.3度,65.8kg.痔が過去最悪の状況に.
  • 9月21日 2回.朝36.6度,66.1kg.昨晩,痔ケアのために穴あきクッションを購入した.
  • 9月22日 ペン注27.朝36.5度,66.1kg.なんだか,この辺りが平常になりつつある.
  • 9月23日 朝36.5度,65.9kg.
  • 9月24日 朝36.3度,65.9kg.
  • 9月25日 ペン注28.朝36.6度,66.3kg.
  • 9月26日 朝36.4度,65.6kg.前日の食事をまともに食べていないため,体重激減.明日からCFに備えて絶食する.
  • 9月27日 朝36.4度,66.2kg.CF前日に付き,絶食を開始する.20時にラキソベロン.
  • 9月28日 朝36.5度,65.6kg.CF検査.残薬:ペン注1,ペン錠142,強ポス3,クラリチン20.

mixiの潰瘍性大腸炎に克つというコミュニティに,「ニフレッ子への手紙」という実に秀逸な文章があった.ニフレッ子ってのは大腸内視鏡検査の前処置に使われる洗腸剤のニフレックのことです.ムーベンの友達のようです.というわけで,ボクはまだニフレッ子にはあったことがないです.でも,ムーベンと同じなら・・・.

ニフレッ子へ

キミに会ったのは何年ぶりだろう。
そう前回のCF検査以来だから2年ぶりくらいかな。
今日、久しぶりに会ったキミに、正直ドキッとさせられたよ。

誰かがウワサしてたんだ。
「あのニフレッ子が”さわやか”になったらしいよ。」
この話題は、すぐにUC仲間にも広まったのさ。

でも僕には、にわかには信じられなかったんだ。
「あの癖の強いニフレッ子が、"さわやか"に? ハハハ、冗談だろう?」ってね。


ところで、キミと僕とが付き合い始めたのはいつ頃からだろう?
UCを発症してからの付き合いだから、もう20年くらいになるかな。 ・・・あ、ゴメン、ゴメン! 最初はキミのお姉さんのマグ子と付き合ってたんだ。(そんなに怒るなよ。相変わらずだなぁ。)

「マグ子ねえちゃんは、もうあなたには会えないって。そのかわり、私、ニフレッ子が付き合ってあげる。私の魅力でお姉ちゃんに負けないくらいキレイ残らず吸い取ってア・ゲ・ル!」

…そんな出逢いの時から思ってたんだ。
「なんてクセのある嫌な風味のする子なんだ!」ってさ。


そして今日、久しぶりの再会。
今朝、病院の検査準備室で、僕のくちびるがキミに触れた瞬間、すぐに感じたよ。
「レモンの香りがする!それに何だこの甘美な味わいは!? あのウワサは本当だったのか?!」

キミはどんどん僕の中に入り込んできたね。そして僕もひたすら受け入れ続けた。。。


…でも…ごめん、ニフレッ子。
やっぱり気づいてしまったんだ。

化粧や香りの使い方が少し上手になっただけで、その奥に隠された素ッピンのキミは何も変わってない・・・ってことに。

2リットルのうち、1.5リットルくらい君を受け入れ、やっぱりウンザリ気味になっていた僕に、キミも気づいていたね。

「私だって精一杯努力したのよ。でも減らせなかったの。もうこれ以上私を受け入れられないのね。。。」

…そんなキミの、2リットル・ボトルの巨体から語りかける視線が、哀しくて、切なかった。。。


ニフレッ子。次にキミに会うのはいつになるんだろう。
少し時間を置いた方がいいかもね。お互いの為にも。
・・・そう、また2年くらい。。。

あ、でも誤解しないでくれ。今日のその香り、別に悪いって言ってるんじゃないんだよ。 あの柑橘系の香り、それなりに良かったよ。(「それなりに」・・・だけど。。。)

もうプレーンな君を口にする勇気、僕にはゼンゼンないよ。
「素ッピンの君が好きだ~!」なんて海に向かって叫んだのは、遠い過去の話さ。

ただ…もう少しキミが減量に成功したら、僕たちやり直せるかも。そう、2リットルの巨体が、せめて半分の1リットルくらいにダイエットしてくれたら。。。
僕はそんな日が来ることを信じてるよ、がんばれ!ニフレッ子!
君の全てを受け入れても、苦にならない、そんな日が来ることを僕は信じてるよ!

さよなら。 愛しのニフレッ子。
また逢う日まで・・・次のCFまで。。。

[mixi] 潰瘍性大腸炎に克つ。 | ニフレッ子への手紙

みんなまずいと思ってるんじゃんw.

関連:
はじめての内視鏡検査 - 4403 is written

UC歴1ヶ月の超初心者がUCについてよく尋ねられることに答えたいと思います.

Q: 治るんですか?

A: 難病情報センターでは完治する治療法はないと言っていますので,治らないと思われます.実際,UCは難病指定ですので難治性の病気であることは疑いの余地がありません.実感として,ペンタサで治るとは思えません.もしも治るのであれば,人体の不思議か新しい治療法によると思われます.

Q: じゃぁずっと下痢ですか?

A: 治りはしませんが,UCによって発生する症状を寛解状態(症状が治まっている状態)に維持することは可能だと思います.しかし,それはUCによって発生する症状を治したに過ぎず,UC自体を治療しているわけではないので完治を意味しません.病状と個人差によると思いますが,私はペンタサで押さえつけることができるのではないかと期待しています.事実,ペンタサの効果は抜群です.寛解状態であれば,便および便頻度は至って普通です.

Q: 死ぬんですか?

A: 人間ですからいつか死にます.UCを原因として死ぬことはなさそうです.合併症で死ぬことはありそうです.

Q: 下痢してるだけですよね?

A: あなたは想像力に乏しすぎます.1日10回を超える下痢を数十日連続する状況を体験したことがないからそう思うだけです.体験してみることを強くお勧めします.数日で理解すると思います.

Q: 下痢はつらいですか?

A: つらくない理由が見当たりません.下痢による脱水,急な腹痛と便意,血便に伴う貧血.どれをとってもつらいです.また,下痢によって痔を併発する可能性が非常に高いです.痔のつらさもみんな知ればいいのに!

Q: 何が1番辛いですか?

A: 大腸内視鏡検査の前処置です.続いて,頻繁な便意,それに伴う外出不安.活動期真っ盛りにおいては意識があること自体が辛いです.意識を常に飛ばしていたいです.

Q: どうしてUCになったのですか?

A: 難病情報センターでは原因は明らかになっていないと言っています.私としても,思い当たる節はたくさんあって,原因を特定することは難しいですし,それが全てとも思えません.個人的には,心身ストレスと暴飲暴食が原因ではないかと思っていますが,不可避でした.病は気からという言葉が強く思い返されます.

Q: 食事制限はあるのですか?

A: わかりません.あると言えばありますし,ないと言えばないです.CDと違って,食べてはならないものはありません.しかしながら,個人差があるため,何でも食べられるかといえばそうでもありません.脂質,食物繊維,アルコール,刺激物などの大腸に負担をかける食べ物はさけるべきかと思います.一般的に,低残渣を心がけると良いように思います.でも,気にしなくて良いかもしれません.わかりません.

Q: 絶食って辛いんですか?

A: すごく楽です.基本的に,食べなければ出ないので,苦痛から解放されます.事実,入院時には絶食して腸を安静にします.食事と言えど外部刺激です.ただし,絶食をすると栄養が摂取できません.そのため,ポカリとサプリと野菜ジュースは強い味方です.人間なんていう生き物は2,3日食べなくたって生きていられるのですよ.

Q: お酒は飲めないのですか?

A: わかりません.寛解期に寛解維持量のペンタサを服用していれば,1杯程度は問題ないのではないかと思っていますが,個人差があります.私は飲酒した晩にはペン注を実施しており,今のところ,再燃の気配はありません.ただし,かなり節制しています.

Q: 障害者なんですか?

A: 障害者ではありません.外科手術を受けて,大腸全摘出をしたとしても,それだけでは障害者認定されません.

Q: 障害者じゃなくて死にもしないなら普通ですよね?

A: まぁ普通だと思います.しかしながら,再燃の可能性とは表裏一体なので,UC歴1ヶ月程度では常に臆病に生きています.UCによる下痢および全身症状によって肉体的に弱っているのはもちろんのこと,難病認定,再燃の可能性などによって精神的にも弱っています.みなさん,UC患者を見かけたら優しく接してあげて下さい.

8月3日より処方薬の減量が行われる.現状は以下の通り.

  • ペンタサ錠は4g/日(=8錠/日,処方限界量)
  • ペンタサ注腸は隔日

減量の基本的な計画は以下の通り.

  1. 8/3から1セット(=2週間)はペンタサ錠を3g/日に減らす.
  2. 8/10からペンタサ注腸を2回/週に減らす.
  3. 8/17から1セットでペンタサ錠を2g/日に減らす.

途中で悪化したり再燃するようであれば,直前の状態に差し戻す.必要があれば,処方限界量まで戻す.これは減量の過程において悪化や再燃があった場合,ペンタサ錠の影響なのかペンタサ注腸の影響なのかを切り分けることができるようにするため,階段状の減量となっている.次回の診察までに,ペンタサ錠2g/日,ペンタサ注腸2回/週まで減量できれば大成功.ペンタサ錠3g/日で及第点.個人的な期待としては,ペン注を切りたいです.実に面倒くさい.でも,過去の傾向から見ると,ペン注の効果は絶大であるので,切るのは難しいかなと思っている.

これまでの経過はこちら

  • 8月3日 1回.ペン8.
  • 8月4日 1回.ペン6.ペン注12.朝36.4度,66.3kg.夜は36.5度.
  • 8月5日 1回.ペン6.朝36.6度,66.8kg.夜は36.7度.
  • 8月6日 1回,便秘気味.ペン6.ペン注13.朝36.6度,66.6kg.
  • 8月7日 1回.ペン6.朝36.6度,66.8kg.夜は36.4度.痔の調子は芳しくない.
  • 8月8日 1回.便秘気味.ペン6.ペン注14.朝36.5度,66.3kg.夜も36.5度.
  • 8月9日 1回.便秘気味.ペン6.朝36.4度,66.2kg.夜は36.8度.
  • 8月10日 1回.便秘気味.ペン6.ペン注15,以後週2回に頻度を落とす.朝36.6度,66.5kg.夕刻37.1度まで上がり,夜は36.6度.体調は少し悪い.
  • 8月11日 1回.便秘気味.ペン6.朝36.7度,66.0kg.体重を見る限り便秘ではない?夜も36.7度.
  • 8月12日 1回.便秘気味というか便量が減る一方.ペン6.朝36.7度,66.1kg.午後は不調で寝落ち.昨日1時間ほど歩いたのがいけないか,餃子がいけないか.数日前からの全身のむずがゆさはペンタサの副作用か?夜も36.7度.
  • 8月13日 1回.便秘気味.ペン6.朝36.4度,66.2kg.夜36.4度,67.8kg.食べ過ぎ.
  • 8月14日 1回.便秘.食べた分はどこに行った?ペン6.ペン注16.朝36.5度,66.4kg.
  • 8月15日 1回.便秘.ペン6.朝36.8度,66.0kg.夜36.7度,67.4kg.やや食べ過ぎ.トウモロコシを食べた.
  • 8月16日 1回.便秘気味.ペン6.朝36.8度,66.2kg.
  • 8月17日 1回.便秘気味,トウモロコシ観測されず.ペン4,減量開始.朝36.3度,66.4kg.
  • 8月18日 1回.便秘,トウモロコシ観測されず.ペン4.ペン注17.朝36.5度,66.0kg.
  • 8月19日 1回.便秘,トウモロコシ観測されず.ペン4.朝36.5度,66.0kg.
  • 8月20日 1回.トウモロコシ観測されず.ペン4.朝36.4度,65.9kg.昼前から下腹部痛気味.
  • 8月21日 1回.食べた分くらい出た,トウモロコシ観測は諦める.ペン4.ペン注18.朝36.3度,66.1kg.
  • 8月22日 1回.便秘気味.ペン4.朝36.5度,66.0kg.
  • 8月23日 1回.便秘.ペン4.朝36.6度,65.9kg.むずがゆさは鉄欠乏によるレストレスレッグス症候群(RLS)ではないのかと思い始めた.なので,UCについては特筆すべき状況にないが,明日は通院することにする.便秘の件もあるし.

基本的な食事制限が解除されたものの,何を食べて良くて,何を食べてはいけないのかは,個人差があるため,色々と試してみて,調子が悪くなったものを挙げていきたい.UC患者すべてに適合するものではありません.あくまで目安です.

  • 刺身こんにゃく
  • 納豆

関連:
潰瘍性大腸炎患者の食事制限
潰瘍性大腸炎(UC)患者の食事 ~メニューリスト~
潰瘍性大腸炎・クローン病の人の食事 - 4403 is written

UCが発症したと思われる時点から2ヶ月,UCが確定診断された7月6日から早1ヶ月です.8月3日の通院で,血液検査の結果から,相当の改善が見られました.血液検査の結果は以下の通りです.

100803_bt01.jpg

前回値に比べて異常値が大幅に減っています.肝機能,腎機能は正常値になっています.また,炎症の程度を推し測るCRPは0.81から0.12に激減し,正常範囲内になりました.膵機能のアミラーゼは正常値に,リパーゼも251から100に減少しました.貧血は悪化しておらず,緩やかに回復傾向とのこと.ざっくり簡単に言えば,改善しています.数値上はほぼ正常です.

治療開始からわずか1ヶ月,しかもペンタサのみでここまで改善したことについては主治医も驚いていました.ペンタサ4g/日の処方は2ヶ月が上限なので,今後は寛解維持量である2g/日まで減量を試みます.かといって,いきなり色々な薬を減らして,再燃した場合,問題の切り分けができなくなるので,投薬計画が示されました.

  1. 今週(8/3)から1セット(=2週間)はペンタサ錠を3g/日に減らす.
  2. 次週(8/10)からペンタサ注腸を2回/週に減らす.
  3. 次々週(8/17)から1セットでペンタサ錠を2g/日に減らす.

これらが全て成功し,9月に予定されている大腸内視鏡検査で異常がなければ,寛解期と見なすのではないかと思います.なお,減量中に再燃または悪化が見られた場合,自己判断で薬の量を調整して良い旨の指示が出ました.基本的に,夏休みで病院も休みなので,適当にと言うこと.急激な悪化は予想されないので,薬の量でコントロールして下さいということです.そのため,減量計画ではありますが,途中で全量に戻すこともあり得るため,処方薬は処方限界量でてます.基本的に,減量が上手くいけば,余るはずです.余ることを期待して.

IMG_1178.JPG

また,食事についても制限等はなくなったため,今後は「食べても平気かどうかを試してみよう」フェーズになります.これについては,別エントリで.

さて,治療開始から実に1ヶ月でここまで回復したことについては,主治医も大変驚いていました.主治医は確定診断の段階における状況から夏休み中(つまり2セット目終了後)の入院を視野に入れていたようです.入院の主たる目的は静養とステロイドコントロールだと思われます.しかしながら,ペンタサがここまでの薬効を示したことは嬉しい限りです.今日から本気出す!というエントリを立てましたが,実感としてはペンタサ2g/日のままでもいけたのではないと思っています.本当に通院する前日から便頻度が減り,調子が大幅に改善傾向を示していました.しかし一方で,血液検査の結果は異常値だらけで,ペンタサを治療量まで増量することは当然の選択だったと言えます.

基本的に,ペンタサだけで寛解方向に向かったとは思っていません.多分にオレの戦略が良かったものと思われます(自慢).確定診断後は薬効が確実に得られるように,様々な努力をしました.便頻度,体重,体温の観察は当然のこととして,自主的な食事制限を導入しました.食事について,主治医からの指示は大きく以下の通りでした.

  • 香辛料・刺激物は控える
  • 脂質は極力控える(具体的な数値指針はなし)
  • 食物繊維の摂取は控える→野菜ジュースを飲めばよい
  • 水分摂取は積極的に

これらをベースに,生野菜の摂取を極力禁止,脂質は30g/日に制限,外食は1日1回以下に制限(脂質をコントロールできなくなるため),ポカリ2l/日,野菜ジュース500mlとしました.食事は基本的に白米または粥に味噌汁.これにおかずを何かしら付ける.基本的な栄養はポカリと野菜ジュースとサプリメントに頼り,元気を出すために週末は食べたい物を食べる.

わかりやすく平たく言えば,治療開始から薬効が実感されるまで,あんまり食べてないってことです.基本的にポカリ(またはアクエリ)と野菜ジュースとサプリメントに栄養は任せて,腸を安静に保つことを心がけました.人間たるもの,2,3日食べなくたって生きていけるってことです.薬を飲まないといけないので食べないというわけにはいかないんですが(薬を大腸まで届けなくてはいけないので)・・・.

それから,ビフィズス菌を強化する目的で,ヨーグルトとミルミルは積極的に摂取しました.特に,ミルミルはUC患者に愛用されており,寛解維持に定評があるようです.本当の効果は分かりませんが,プラセボを含めて,さすがは乳酸菌の専門家であるヤクルトが作っているだけのことはあると思います.

これらの結果として,ペンタサが本気を出して,UCを寛解方向に導いたのではないかと思っています.副次的な効果として,脂質制限をしていたので,体重は65.2kgまで減少しました.UC発症直前の体重は記録がないのですが,5月の連休に測った際は72kgありました.実に1割近く体重が減っています.主治医曰く,「病的な体重減少ではなく,脂質制限による自然な減量ではないか」とのこと.食事制限も外れるので,様子を見て欲しいとのことでした.最近の計測では,65kg前半で下げ止まりの様相です.無理に元の体重に戻す必要は無いし,適正体重から考えればこのぐらいで良いはずなので,うまくコントロールしていきたいと思います.

まとめ:
病気の治療(特に内科的療法)をやるなら,トコトン全力で.だって,ステロイドや免疫抑制剤とか,イヤじゃん.このままUCは寛解状態に追い込んで,そのまま無かったことにしてやりたい.UCは難治性であって,治らない病気ではないことを実証してやろう!それこそブログネタだ.

関連:
6月初頭から調子が芳しくない件の備忘録 - 4403 is written
はじめての内視鏡検査 - 4403 is written
はじめての潰瘍性大腸炎 - 4403 is written
UCの医療情報を公開してみる - 4403 is written

7月6日に潰瘍性大腸炎で確定診断となったため,治療薬の処方が始まったので,これから末永く付き合っていくことになるであろう人生の友を紹介したいと思います.

ペンタサ錠500mg

IMG_1046.JPG

これがエースで4番の主戦力,UCに効く数少ない薬の1つ,ペンタサです.ペンタサは5-ASA製剤です.ペンタゴンなアサでペンタサですな.たぶん.拙い知識によりますと,ペンタサはUCに薬効を示したサラゾピリンから効果のある5-ASAを主成分として作ったものらしいです.しかも,5-ASAが大腸まで届くように工夫しているようです.なので,期待を込めて言えば「効果は抜群だ!」のはずである.ペンタサは1日4000mgまで処方できるようで,現状は朝夕に2錠ずつなので,1日2000mgとなっています.2週間後から本気モードの4000mgで叩くそうです.ちなみに,この錠剤は結構大粒です.クラビット500mgと同じくらいでかい.

IMG_1042.JPG

ペンタサ注腸1g

IMG_1038.JPG

ペンタサ錠は経口内服薬であるため,胃から小腸を通り大腸,直腸と向かうわけで,大腸から直腸で効いて欲しいのですが,どうしてもなかなか直腸までは届きにくいそうです.そこで編み出された奥義が,じゃぁケツから入れればいいじゃん作戦です.至極当然ですね.つまりは,上からはペンタサ錠で,下からはペンタサ注腸で挟み撃ちにしてしまおうという掃討作戦です.ちなみに,ペンタサ注腸はUC患者の皆様から愛を込めて,ペン注と呼ばれているようです.ペン注はまだ使っていないのですが,ググった知識によると,相当難しいようです.液が出ないとか,入れるのがアッー!とか,我慢できないとか,漏れるとか,ゴロゴロしてると寝ちゃうとか・・・.難儀な薬だ.一応,情報公開してみると,ペンタサ注腸使用説明書はこんな感じ.1回目は失敗しそうな予感全開です.イメージトレーニングを繰り返しているんですが,上手くいく気がしません・・・.できるところまで頑張ります.

キシロカインゼリー2%

IMG_1049.JPG

ペン注をアッー!するときに使う表面麻酔剤です.噂によると本当の意味でアッー!をするときによく用いられるという噂です.まだ使ってないので,どんなもんか分かりません.ググった知識では大した効果はないとか?まぁ,本当に麻酔として効いちゃったら,肛門括約筋ゆるゆるで漏れちゃいますよね.色々と.

ラックビー微粒N

IMG_1048.JPG

ペンタサがUCの病状に対して直接効果を発揮するのに対して,ラックビーは腸内環境正常化を目指す,縁の下の力持ちです.中身はビフィズス菌です.処方量は1日6gが限界量みたいですが,余裕で1日6g処方されてます.ガンガンいこうぜ!ちなみに,プラセボかもしれませんが,このラックビーを飲み始めてから,症状がやや軽くなっているような気がしないこともないような気がするような気がします.粉薬なのに飲みにくくないので,結構お気に入りです♪薬価としては結構安いです.

まとめ:
こんな仲間たちと共に日々闘っております.といっても,まだ2日目ですが・・・.ちなみに,これだけの薬を処方されると,結構迫力あるんだぜ?

IMG_1036.JPG

しかも,ペンタサとラックビーに至っては自立するんだぜ?

IMG_1047.JPG

だから何だと言われると,別になんてこと無いんだけど・・・.

5月末にお腹が痛い旨をつぶやいて以降,実に1ヶ月以上に渡って,原因不明の腹痛と下痢と血便を繰り返していました.その件について,本日,ついに確定診断が下りました.病名は潰瘍性大腸炎です.

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

難病情報センター|潰瘍性大腸炎 特定疾患情報

潰瘍性大腸炎は厚生労働省が定める難治性疾患克服研究事業(難病)に指定される130疾患の1つであり,その130疾患の中で特定疾患治療研究事業(特定疾患)に指定される56疾患の1つです.特定疾患なので,所定の手続きを経て特定疾患医療受給者証の交付を受けることで,公費による医療費助成を受けることができます.

平成20年度特定疾患医療受給証交付件数によれば,潰瘍性大腸炎は10万人超であり,特定疾患の中で最大の罹患者数となっています.1973年から特定疾患に指定されており,なおこの状況で増加傾向にあります.その一方で,年々罹患者数が増加している点から見て,直接的に死に至る病ではないとも言うことができるかと思います.

この病気は完治するのですか?

残念ながら、この病気の原因が解明されていない現在では完治する治療法はありません。しかしながら、規則正しい生活とお薬の服用で長期間にわたり寛解を維持し、発病前と同じような生活をしている患者さんはたくさんおられます。

難病情報センター|潰瘍性大腸炎 FAQ

発症からの経過
5月31日に下腹部痛に見舞われる.以降,下痢症状となる.6月9日に風邪のような発熱が見られた.この頃より,血便が観測される.6月14日にこの件で初めての通院をする.深刻な病気とは思っていなかったので,町医者的なクリニックへ.細菌性感染を疑われ,抗生剤のクラリス他を処方される.6月18日,再通院.クラリスの効果が認められないため,抗菌剤のクラビット他に処方薬が変更されるとともに,総合病院への紹介状を頂く.

6月22日に転院.症状を伝えたところ,潰瘍性大腸炎という病気がある旨の話をされる.なお,この時点では潰瘍性大腸炎という病気を知らなかったため,胃潰瘍の大腸版だと楽観視していた.「教師ですか.精神的なものだと良いですね」と言われイリボーを処方される.今になって思えば,担当医はこの時点から潰瘍性大腸炎を第1に疑っていたものと思われる.あわせて,血液検査を受けるとともに,次週の内視鏡検査の予約を取る.6月25日,イリボーの薬効が限定的で,お腹が張る副作用が強く見られたため,病院に確認した後に,イリボーの服用を中止した.

6月29日に内視鏡検査を受ける.入れ始めたところから酷い状況であることが明らかだったらしく「あー.痛かったら言って下さい.今日は無理しないで奥まで入れませんから」と告げられる.どの程度が我慢してはならない痛みなのかがわからない不器用なボクは何も申告しなかったので,結局大腸の1番奥までカメラを進められた.戻りながら診察していくのだが,状況は最悪で,大腸全体に炎症と膿が見られた.これは潰瘍性大腸炎では全大腸炎型という分類となる.潰瘍性大腸炎を確定診断するためには,それ以外の病気ではないことを証明する必要があり,消去法の結果として潰瘍性大腸炎となる.そのため,培養やら生検のために6回の組織採取が行われた.検査終了後,「確定診断された患者さんにお渡しするものですが」と述べた上で,潰瘍性大腸炎に関する文書資料を2通下さった.担当医はこの時点で何かしらの確信があったものと思われる.処方薬は「気休めですが」と言われながらラックビー微粒Nが処方される.なお,処方量が通常量の2倍であることが薬局で判明する.

7月6日,病理検査等の結果から,潰瘍性大腸炎で確定診断となる.最初に告げられたのは「どこで治療をされますか?」という質問であった.要約すると,この病院では定められた治療しかできないが,大学病院などに転院すれば保険外診療で新薬なども使うことができるという話.ATM療法のことと思われるが,5-ASAが効果を発揮してくれることを期待して,転院せずに治療を行うことにした.

今後の展望
まずは内科的治療として内服薬による治療が行われる.処方薬はラックビー微粒N1gを毎食2包,ペンタサ錠500mgを朝夕2錠,ペンタサ注腸1gを週2回,キシロカインゼリー2%となる.調剤薬局に処方箋を持ち込んだところ,ラックビー以外の取り置きがなかったため,取り寄せになった.

最初の2週間はペンタサ(5-ASA)が体に合うかどうかを試す期間らしい.そのため,処方量は半分.全大腸炎型なので,上と下からの挟み撃ち作戦ということで,内服薬と注腸外用薬の2種類.2週間後からは本格的な治療に入り,ペンタサが倍量になるらしい.その後,ステロイドを使うとかなんとか.

今後は活動期と寛解期を繰り返すことが予想されるが,寛解期を維持することで,少なくとも入院をしなければ,内服薬を飲み続けなければならない点を除いて,健常人とほぼ同じ生活ができるものと期待される

関連:
6月初頭から調子が芳しくない件の備忘録 - 4403 is written
はじめての内視鏡検査 - 4403 is written

今年ははじめてのことがいっぱいだ.三十路が近くなり,体中のあちこちに無理が生じている模様です.今回はとある事情があって,大腸内視鏡検査を受けたので,その記録と報告をしたい.

100622_agreement01.jpg 100622_agreement02.jpg

授業終了後に後片付けをしていると,挨拶をしてくる良い心がけを持った学生と出会うことがある.静かに授業を受けて(最近は一昔と違って静か=寝てるではない.ちゃんと勉強してるのだ)静かに帰っていく学生が多い昨今において,挨拶ができる学生というのは多くない.しかしながら,その挨拶が少しおかしいのだ.

「お疲れ様でした」

学生は教員にこう挨拶して帰っていく.おかしい.明らかに違和感がある.確かに,社会において「お疲れ様でした」という言葉は多用されている.確かに,便利な言葉である.しかしながら,「お疲れ様でした」を英語にしようと考えると,適切な訳はない.すると,近い意味に意訳することになる.そうすると,この「お疲れ様でした」はどういう意味で使われているのだろうか.いかなる場面においても,往々にして適用可能なのは,日本特有の空気を読む文化がなせるものだろう.

師弟関係であるとすれば,「お疲れ様でした」ではなく「ありがとうございました」が適切だろう.小学校でもそのように習うはずである.授業は何かについて教えを受ける(請う)ものであるので,「(教えて下さって)ありがとうございました」という挨拶が正しいと思う.思うのだが,なかなか言えない.教えるべきだとは思うのだが,実にして言えない.自分が「お疲れ様でした」と言われて「ありがとうございます,だろ?」とは,なかなか言い出せない.押し付けがましいというか,おごり高ぶっているというか・・・.学生が他の先生に「お疲れ様でした」と言っているところを目撃でもすれば言いやすいのだが,そのような機会に巡り会うことは難しい.

さて,そのようなことを話題にあげたところ,このような1つの解が提示された.

@yukacci 学「お疲れ様でした」俺「そこはありがとうやろ!」学「あ、すみません、ありがとうございました!」俺「ほんとに思ってんの?」学「いやーまじ思ってますよ!」俺「wwおつかれ!」学「おつかれさまでーす」の流れがマイジャスティス。

Twitter / onix105: @yukacci 学「お疲れ様でした」俺「そこはあり ...

これはなかなか良いと思う.

4月15日にJNSAにて行われた学術界とのギャップ解消検討BoFに参加してきた.主催は@akirakanaokaさん.このBoFが開催されるに至った背景は以下のように述べられています.

ネットワークセキュリティでの学術と企業(産業)側のギャップを感じている中、そこを埋める話ができないか、ということで意見交換をできる場を設けようと考えました。まずJNSAの方にご相談させていただいたところ快く承諾いただいたので、学術からの参加者を募るべくコンピュータセキュリティシンポジウム(CSS 2009)のナイトセッションでプレゼンをし、その後暗号と情報セキュリティシンポジウム (SCIS 2010)で「DoS/DDoS攻撃対策に見る学術界と産業界のギャップ」と題した発表をさせてもらいました。

JNSA 学術界とのギャップ解消検討BoF まとめ|EL TIO

要点は@akirakanaokaさんのブログにまとめられているので,そちらにお任せするとして,私視点でのまとめを簡単に.

学術側,特に大学の立場でいえば,大学教員の業績はほとんどが原著論文によって評価される.原著論文とは,査読された論文誌等に掲載された論文のことである.論文の査読においては,新規性,有効性,信頼性などの観点から評価され,認められた場合,採録となる.ここで実用性という評価は聞いたことがない.実用性がないので不採録という評価はないと思われる.また,業績評価の対象には特許も含まれる.しかしながら,多くの大学教員にとって,特許出願するよりも論文投稿する方が簡単であると思われる.それは,特許出願書類の書きにくさにあると思われるし,サーベイの難しさもそうだし,なんといっても特許出願に見合うだけのインセンティブは受けられないからだと思う.

私は工学の人間なので,物を作るとか実際に使われるとかいうことに関して,強い興味がある.というか,動くモノを研究するのが工学だと思っている.しかしながら,例えば,何かしらの研究を行い,それが実用化され,製品化されたとして,業績評価されるだろうか?評価されないことはないと思うが,論文誌採録ほどの評価は受けないのではないだろうか?メディアに取り上げられたり,プレスリリースが出たとしても,それは業績評価されるのだろうか?単純にこういうところに,インセンティブに関わる大学側の問題があるように思われる.

産業側からは重要な指摘があった.「じゃぁ売り込みに来ればいいじゃない」って.確かにその通りであって,そうすることで製品化も見込め,工学の研究者としてはうれしい限りだろう.だがしかし,産業界と学術界とのギャップはすでにそのレベルで存在していて,恐らくは学術研究の成果はすぐそのまま製品化はできない.例えば,私が個人的にものすごく信じていないものに,スパムフィルタの研究がある.ベイジアンフィルタとか,コラボレートフィルタとか,SVM学習とか,様々な手法が提案されているが,私の偏見で言うならば,インテリジェンスなシステムは精度は上がるかもしれないが,実用に耐えないと思われる.それは計算時間や計算資源の問題からくると思う.もっと言えば,大規模システムへの導入を考えた場合,電力問題に直面する可能性がある.そのため,実際に利用するには,実用性と性能を鑑みる必要性がある.学術界,特に原著論文となると,新規性を求めていくので,理論上最強を目指していくと,実用性との乖離が生じてくる.これが産業界とのギャップを深めている気がする.

つまりは,産業界に技術を売りに行くのはごもっともだが,売りに行っても買ってもらえる代物がない!というのが現状で,買ってもらえるようにしたいんだけど,産業界が求めるものが全然解らないよ!というのが学術界の本音だと思う.そこを埋めたいねというのが,このギャップ解消の根底にあると思う.学術界としても論文を世に出すだけが社会貢献・社会奉仕ではないと当然考えているだろうし,産業界に貢献できるような研究ができれば,よりよいと考えているだろうし,それは最終的にWin-Winの関係に結びつくのではないだろうか.

今回のBoFに参加して感じたことは,産業界と学術界のギャップは思いの外に深かったという点.ややもすると,ギャップ解消を望んでいるのは学術界で,産業界の大半はギャップ解消を望んでいない(解消すればいいけど別に今のままでもいいよっていう意味)可能性が高そうな気がする.しかも,学術界を大学等の高等教育研究機関に絞り込むと,先に述べたインセンティブの問題で,それほどギャップ解消に積極的ではないかもしれない.

まとめ:
最初は細々とでも,一部の学術界と一部の産業界が意見交換ができれば良いと思う.それは真面目な会でも良いだろうし,飲み会でも良いと思う.そうして段々とお互いが歩み寄っていければ良いんじゃないかと思う.そのためには,学術界からのアプローチが重要に感じた.ということで,今年の情報セキュリティEXPOに行ってみようかと思ったりもしている.

201004220119追記:
眠いけどdisられたからがんばる.

民の立場ですごい横柄な言いっぷりをすると「顧客ニーズを教えてあげる.それを解決する要素技術を研究してくれるなら,それを使ってあげる」ということになる.

Re: JNSA 学術界とのギャップ解消検討BoF:exploit&ac:So-netブログ

ボクはそれでも良いと思っていて,実用性に乏しい理論研究をするのは工学として潔しとしていません.学術界として,いわゆる金にならない研究を金になるようにするためには,そういうニーズを的確にキャッチする必要性も大事かと思います.

学の提案する方式が実用的で実装可能かどうかについては触れられていません.

Re: JNSA 学術界とのギャップ解消検討BoF:exploit&ac:So-netブログ

ボクは学の提案している内容が実装可能かどうかは非常に重要だと思っていて,産が学の提案する方式を実装しない(できない)のは,そこに実装困難性(または非実用的な要素)が含まれていて,学が如何に現実から乖離した研究をしているかということを如実に現していると思っています.

というわけで,学のヒトの気持ちを理解するために一緒にお仕事したいので○○省さん,うちらにお金下さい.うまく使いますので(オチはそこかw)

Re: JNSA 学術界とのギャップ解消検討BoF:exploit&ac:So-netブログ

正直な話,本気でこの問題に手を入れるとするならば,ビッグブラザーの力を借りるのはありだと思います.問題は,そのテコ入れをするほどの根深さがあるかと言うこと.現状で世の中が回っている現状では難しそうな気がします.しかし,蓮舫議員よろしくで,社会貢献を目に見える形で実現するなら,そういうアプローチもあるかと思います.

ボク個人の意見では,遠巻きながらも,産学がざっくばらんに分かち合える環境があればいいと思います.それ,まずは飲み会でも良いじゃないですか.

プロフィール

e-m@il @ddress