経産省が理工系博士号を救うか

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久しぶりに博士の話題.近々,もう1回書くかもしれない.この不況に影響されてかどうか分からないが,経産省が理工系博士(ポスドク)をどげんかしようとしているようだ.

経済産業省は、博士号を取得しても定職に就けず、非正規労働者の位置付けで研究を続ける理工系の「ポストドクター」(ポスドク)の就職支援に乗り出す。

高度な専門知識を持ちながら就職難に苦しむ若手研究者に4月から約1年間、民間企業で働く機会を設ける。実力が認められれば正社員への道が開けるという。

理工系博士号持つ“非正規”、経産省が就職支援へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

なるほどなるほど.人材派遣みたいなもんでしょうか.1年という期間が妥当かどうかはよくわかりませんが,ポスドク問題を考えるなら,任期無しっていう辺りが重要のような気がしますが,如何でしょうか.

就業体験中は、給与として研究職の場合で年間約450万円を支給する。研究支援職なら400万円、研究事務職は380万円だ。

理工系博士号持つ“非正規”、経産省が就職支援へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

どういう形で雇用されるのかわからないけど,450万円は結構良さそう.ただし,任期付きで後がないという意味の保険が含まれているとしたら・・・.で.給料の話はそこそこにして,この記事が伝えるポスドク問題の根深さというか,この施策の無力さというか・・・.

1月下旬から約200人の若手研究者の公募を始め、(中略)。このうちポスドクは60人で、(中略)。

また、理工系の学部・修士卒も130人を募集し、(中略)。研究関連の事務職でも10人を採用する。

(中略)

ポスドクの数は06年度で約1万6000人に達している。

理工系博士号持つ“非正規”、経産省が就職支援へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ポスドク1.6万人に対して,募集は僅かに60人.実に260倍の競争率.経産省が本気を出しても救いきれない状況にまで,ことは進んでいるのです.同情するなら職をくれ.記事にするなら斡旋してくれ.と叫びそうな状況だと思います.

200901181415追記:
おっと.もしかすると,これはミスリードか?最後に書かれているポスドク1.6万人ってのは,全分野の総数ですね.と思ったけど,実際はほとんどが理工系だったorz.参考資料はこちら

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