[総括]平成21年度春期情報セキュリティスペシャリスト試験

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本日は全世界的に平成21年度春期情報処理技術者試験高度区分の結果発表の日だったわけです.一応,情報セキュリティの端くれとして,合格しておきました.点数的にはバカ丸だしなので,ガッカリです.というわけで,初となったSC試験を振り返ってみたいと思います.なお,SC試験は年2回行われるようなので,是非とも秋試験に挑まれることを期待します.目指せ合格率100%!(後述)

採点と配点
採点と配点に疑問な点が残ります.まず,午前から,午前の自己採点に依りますと,午前Iが25/30=83%で,午前IIが21/25=84%だったのですが,実際のスコアはそれぞれ85点と84点でした.選択問題なので,自己採点が間違えているということはないはずなのですが・・・.問題なのは午後です.具体的な配点が出ていないので,厳密には分かりませんが,評価してみます.午後Iが86点(1,2選択)で,午後IIが66点(1選択)です.午後Iが思いの外に高得点だったことと,午後IIが思いの外に低得点だった点が気になります.特に,午後IIは34点も失っているというのがにわかに信じがたいです.正確な解答を写して帰っているわけではないので,細かい表現が異なっているとはいえ,解答例から考えても34点も失っているのは理解できません.こうなってくると,想像されるは配点調整です.配点調整があったかどうかを推測してみます.

まず考えるべきは合格率の統計です.得点分布・評価ランク分布を見ながら考えます.まず,SCの受験者総数は16094人で,午前I受験者は14944人なので,午前I免除は1150人と思われます.さて,午前I突破者は11536人(免除除く)なので,突破率は77.2%です.続いて,午前II突破者は11006人で,突破率は88.8%です.これより,午前IIが足切りとしてほとんど機能していないことが分かります.2ch情報に依れば,過去問だけで足切りラインを超えられたらしいので,意味がある試験とは思えません.試験時間が短く,出題数が少ない割に,扱う範囲は広いので,受験者の勉強は結構大変だと思います.当たり前のように解ける人だけを通したいという意思の表れでしょうか?

問題なのは午後です.午後I突破者は5041人で,突破率は47.3%です.続いて,午後IIの突破者は2580人で,突破率は51.3%です.最終的な合格率は16.0%でした.さて,ここで午後の配点は午後Iが各50点,午後IIは100点とだけ書かれていて,細かい配点がサッパリ不明です.となれば,この結果から鑑みて,合格率を想定した得点調整が行われたのではないかと邪推されます.

2chでもチラッと話題に上りましたが,合格率が不自然です.基本情報と応用情報が25%程度,高度区分が15%程度に調整されているのではないかという疑惑が浮上しました.この疑惑は,応用情報と監査の2点から見込まれます.応用情報は旧ソフ開相当なので,過去の推移表を見てみると,15%程度の合格率でした.監査は10%を超えるか超えないか程度の合格率でした.それがそれぞれ,26.1%と13.9%になっています.特に,応用情報の合格率が大幅増となっています.試験制度が変わったので,一概には言えませんが,不自然だと思います.

さて,SCの分析に戻りますが,配点調整疑惑が拭えません.過去の経験上,各試験で50%ずつ落として,12%程度の合格率としていたと思います.その辺はヘタレ系Dが私見を述べています.その点を考えると,今回も午後は50%ずつ落とすという作戦をとったとしても,違和感はありません.実際はどうかと言えば,47%と51%なので,それっぽいです.配点調整があったと思われます.

ここでいう配点調整というのは,複数の問題から選択する形式を取っているので,問題間の難易度を吸収するための配点調整ではなく,合格率を調整するための配点調整です.足切りラインが60点と決まっているので,合格率を決めているとすれば,配点で調整するしかないのです.どうにもそれが行われているような気がしてなりません.

しかしながら,その疑惑があったとしても,実際にはそれを確かめる方法が無く,仮にそれがあったとしても,我々ではどうすることもできないので,この問題は解決しません.唯一我々ができる手段は,受験者全員が合格するべく勉強し,完膚無きまでに素晴らしい解答を連発し,合格率を限りなく100%に近付けてみることです.もしも,それでも合格率が変動しないようでは怪しいです.新制度は足切りがハッキリと60点になりましたので,合格率は毎回大きく変動して然るべきだと思います.今後の推移に期待します.

勉強方法
ハッキリ言えば,あまり勉強してないんですが・・・.本は2冊買いました.典型的な買って満足するタイプです.

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買ったのは翔泳社の情報セキュリティスペシャリストと電機大の精選予想500題です.翔泳社は1/4くらいと過去問,電機大は80問程度しかやっていませんが,悪くないテキストだと思います.ご購入は上記アフィリエイトからどうぞ.ただ,電機大の精選予想500題は解答が間違っていたり,解説の間違いが何問かありました.正誤表を作るためにメモを取ったはずなんですが,見当たりません.記憶が確かなら,出版社に誤植報告をしたと思うので,運が良ければ直っているかもしれません.注意して読むべし.

次に午前対策ですが,試験要項を見てください.午前の出題分野と技術レベルが載っています.SCの場合,脅威なのはDBのレベル3とサービスマネージメントのレベル3ではないでしょうか?ただ,春期試験を見る限り,レベル3は大したことがありません.恐れるに足りませんでした.もっと言えば,DBレベル3を恐れて,SQLをかなり重点的にやった(苦手だからね)のですが,1問しかでなかった上に,簡単でした.これがレベル3!?ってところです.なんなら捨てても良いんじゃないでしょうか?かといって,今後も同じ傾向とは限りませんが.試験要項に書かれている以上,そのレベルの出題をされてもなんら文句は言えません.どっちにしても,過去問対策をしっかりやっておけば,足切りラインには載ると思います.費やした時間は嘘をつかない.

午後対策は難解です.ハッキリ言えば,どんな問題が出ても対応できるレベルじゃないと受かるのは難しいと言えます.ただ,午後Iは4問中2問選択に緩和されているので,不得意な問題を回避できる可能性が増えています.しかしながら,業務経験のない人には実運用系の問題はかなり厳しいです.午後Iは試験時間90分なので,1問30分で解けば3問解けますので,出来が良いものを2つ選ぶ戦略がいいんじゃないかと思います.午後IIも2問とも解く余裕はあると思いますので,両方解いて,良い方を選べば良いんじゃないでしょうか.ま.早く帰りたい(逃げ出したい)気持ちもあるでしょうから,午後IIを両方解くのは難しいと思います.ちなみに,試験前はセキュアプログラミングを大変恐れていましたが,これも脅えるほどではありませんでした.Perlの用例・解説が付録として付いていますので,その辺は覚えなくても大丈夫です.CASLもそうだけど,あの付録って,試験中に見ている人っているのかな?

まとめ:
今回に関して言えば,出題がそれほど難しくなかったのに,合格率16%なので,かなり厳しく採点されている印象があります.年に2回のお祭りですし,注目度の高い資格だと思うので,お友だちをお誘い合わせの上,受験されると良いと思います.

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