[私見]教員免許更新制度について

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7月末にブコメで「数ヶ月後に書く」と書いてから,数ヶ月が経過したので,書いてみる.嘘です.実はその日に書いたものを今日,公開しているだけです.追記:更新制度廃止の動きがあるので,最早イミフなことに.さらに追記:廃止予定になりました

そもそも教員免許更新制の目的は何か.

教員免許更新制は、その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。

2.教員免許更新制の目的:文部科学省

強調されているくらいなので,主たる目的は「最新の知識技術を身に付ける」ことだと思う.だとすれば,id:next49さんの受けた説明は正しいと思う.

免許更新講習に関して私が大学からもらった説明では「最新の研究成果を紹介する」という趣旨でした。

免許更新講習の位置づけがさっぱりわかりません - 発声練習

というか,大学ができることなんて,その程度しかないだろう.各教科の先生が日頃教えている授業の延長線を辿ると,一体どうなるのか?例えば,情報の先生がセキュリティ最前線を勉強して帰るなんて,その際たる例で,「教員が自信と誇りを持って教壇に立ち,社会の尊厳と信頼を得る」に十分な講習になると思われる.

では,実際に免許更新講習ではどのような講習が行われるのだろうか?

免許状更新講習の内容は大きく分けて次の2つに分けられます。

  • 教職についての省察並びに子どもの変化、教育政策の動向及び学校の内外における連携協力についての理解に関する事項(以下「教育の最新事業」という。)
    すべての教員に共通する事項を扱うものです。具体的には、「教職についての省察」「子どもの変化についての理解」「教育政策の動向についての理解」「学校の内外での連携協力についての理解」を主な内容とします。

  • 教科指導、生徒指導その他教育の充実に関する事項
    学校種・教科種などに応じた内容を扱うものです。各教科の指導法やその背景となる専門的内容、生徒指導等、幼児・児童・生徒に対する指導力に係る各論的な内容を中心に扱います。

7.免許状更新講習の概要:文部科学省

これは難しい.id:next49さんも以下のように仰っている.

こんな内容は教育学部の先生しか無理じゃないの?でも、うちの大学は理学部や工学部にも講習の開講依頼が来てたよ。

免許更新講習の位置づけがさっぱりわかりません - 発声練習

全く同感である.教育のプロフェッショナルである教員免許を持っている教員に対して,無免許教員が指導法や生徒指導を講習するなんて,おこがましい.むしろ,無免許教員である大学教員こそ,学生指導の教えを請うべきではないか.大学教員がこの免許更新講習でできることといえば,精々「皆さまが日頃お教えになっている内容は,現在ではこのような発展を遂げており,このような場面で使われています」とか,「情報分野の進展は早く,教科書に載っている内容では不十分かもしれません.最新の情報を説明致しますので」とか,むしろこれこそ大学に求められている講習だと思うし,更新講習を受ける教員の方々もそのような内容を期待しているのではないでしょうか.

だから私は教員免許を取得した.教育者としての課程を経た証として,第三者によって証明された免許状である.「私は教育に対して真摯に取り組んでいます」とは誰でも言える.だからこそ,オレの本気度合いを形で示したかった.客観的に証明したかった.そして,手始めに専修免許状(工業)を取得した.そのためには,職業指導の単位修得が必要だった.内容は生徒に対する職業指導と人生の見通しについて.これは教育者としての役割を端的に捉えた良い授業だった.そして,今は放送大学で教育心理学に関する科目を受講している.

文部科学省が免許状更新講習の概要通りの講習を本当に求めていて,大学が教育機関であるのならば,講習を受けるべきは大学教員ではないだろうか.教員免許更新制度は更新講習ではなく,最新動向勉強会にすれば良いと思う.

追記:と昔の私が書いたそうです.

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