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実験データは全て残しておくもの

| 実験データは全て残しておくもの

そして,実験をやる前には,結論を決めておかねばならない.そして,その結論を導き出すために必要な情報は何かを分析し,その情報を得るためには何をしなくてはいけないのかを決定しておかねばならない.そうしないと,実験をする意味はないし,無意味に取られたデータから,適切な実験結果を導き出すことはできない.実験はできるからやるものではなく,やるからできるものなのです.工学でフィールド実験ができるなんて,恵まれている環境ですよ.マジで.

というわけで,昨日は博士在籍時の研究室に,研究ミーティングで赴いてきた.春まで博士課程に在籍していたKMITLの先生が来日中ということで,駆けつけてみました.酒の匂いに釣られたという噂もありますが.

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研究ミーティングの内容としては,IS105の発表練習をしたかったんですが,まぁオレの優先度なんて最下位なわけで,できませんでしたorz.主には地域通貨の班ゼミを横で眺めていた感じ.相変わらず,なんだかなぁっていうゼミを繰り広げてた.「~だったと思います」「~のような気がします」「そういう意味だったんですか?」「考えてたのと違う」などと前回までの議論をひっくり返すような発言が続出してて,苦ワロタです.ゼミメモは存在するのだが,重要なことが記録されていなかったり,決定事項がなんなのかもわからない記録になっているので,結局のところ,過去の議論の流れや内容はわからないので,今回の議論で発言されている主張のどれが正しいのかも全くわからない.ということは,今までの議論の内容をまっさらにして,また検討し直す必要性があるわけで,全く前に進まないじゃんって感じです.1歩進んで1歩以上下がっている感じ.議論が進まなかったり,仕様が固まらないことが,自分たちの首を絞める行為だってことを何で理解できないんだろう・・・.って思いました.いや,言ったけど.

特に意見を求められなかったから黙っていたけど,データの取り方も相変わらず.再設計しようとは思っていないみたい.06モデルをベースでやるとするなら,あのシステムで取れるデータは実験結果として不足しすぎで,使い物にならないことは昨年の11月頃の論文執筆段階で明らかになっている(だから書けなかった)のに・・・.何も工夫しないで出てくるようなシステムログや誰でも考えつくような「誰がいくら使った」とか「どこでいくら使われた」なんて情報はあって当たり前で,それ以外の情報で何が必要かを検討して,そのデータが取れるようにしないといけないんじゃないのかなぁ.というか,05モデルは設計に携わっていたから,そういうデータが取れるようになっていたはずなのに,06モデルは大幅な改修があった所為で,その重要な部分が抜け落ちたらしい.困った困った.

そもそも大きな感覚の違いがあって,「プライバシ保護のため」と銘打って,諸データを取らなかったらしい.それは全く間違っていて,工学的な視点で実験をやっている以上,あらゆるデータは残しておかないといけない.仮に,取得されるデータがプライバシ情報だったとしても,そのプライバシ情報が存在することを知られなければ,その情報が存在しているかどうかすらわからないのだ.これ,シュレディンガーの猫と同じ.プライバシを護るのは,運用ではなく,運営.だから,運用段階ではあらゆる情報を集めておき,運営段階ではプライバシ情報を適切に取り扱うように善処する.というか,もっと言えば,実名を全く取り扱っておらず,システム内部で付けられるIDしか用いていないので,仮名の状態です.「誰なのか特定できない」という状態を匿名だと扱うのならば,この仮名も匿名の状態であって,統計情報に過ぎないので,プライバシとか気にしなくても大丈夫なはずなのに・・・.

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