学生の研究活動に異常あり!

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早期化する就職活動的な意味で.186::DiaryでIEICEのFundamentals Reviewが紹介されていた.紹介していたのは解説論文の方だったのだが,目の付け所が狂ってるオレとしては,別の記事に目が行った.

Fundamentals Review Vol.1, No.4 巻頭言 ある大学研究室の悩み ―学生の研究活動に異常あり!―(リンク先はPDF)

素晴らしいね.こういうことをハッキリと書いて,公表してくれていることが素晴らしい.本当に切実な問題ですよ.

理工系学生に対して行われている学校推薦はもはや機能していない.(中略)だから自由応募の一般選考で可能性のあるところすべての企業に対して就職活動をする.(中略)企業も秋の内定式まで,どの学生が本当に入社するのかわからない.(中略)予定人数が取れない理由は,もっと早くから活動すべきとまた採用活動が早まる.まさに悪循環である.企業は早くから求人活動を始めても,いい学生が取れないことに早く気づくべきである.

べきである!痛烈で爽快な1文だ.実際のところ,どれだけ就職活動を早期化させたところで,最終的に確保できる人材はそれ程に違いがあるとは思えない.どちらかといえば,短い期間でコンパクトに収まっているほうが,最近のリスク回避至上主義の若者に対しては,大手に流れる傾向を抑えられるのではないだろうか.だって,大手を残しておいて,落ちて無職なんて,悲劇すぎるじゃん.

新学期になっても会社説明会へいくため,卒業研究のゼミは全員がそろわない.こちらも「就職活動」という印籠を振りかざされると文句も言えない.

「卒業単位」という裁きの雷を落とせばいいのに!就職活動がどれ程までに大事だとしても,その前提である卒業ができないのであれば,お話にはならないはずである.「卒業はできて然り」だと思われていること自体がよろしくない.この文の後に書かれている,卒研生,修士生の話はまさに他人事ではなく,日常茶飯事であるから厄介だ.

しかし1年前に学位が取得できると考えて就職活動を始める博士課程の学生がいるだろうか?

それ,なんてオレ.いや,厳密には1年前には始めておらず,見切りの5月スタートで,実質的な本格化は10月以降だ.学位申請前から就職活動する博士なんて,どれだけ自信満々なんだよ.いやぁ,でもね.実際のところ,博士で大学教員を狙うなら,早い段階から活動を始めるべきだと思う.どうせ落ちるもん.だいたい,博士の場合は採用通知が出たら,そのまま採用されるでしょう.採用辞退する人なんているのかな?とすれば,いい人から順々に埋まっていくと考えれば,早い段階から動き始めても,新卒が相手にされるようになるのは,秋口くらいからであろうか.それまでは競合が多すぎて,新卒では到底太刀打ちできない.PDだと駆け込み需要的に年度末にドカドカでてきますが・・・.とりあえず,博士新卒でアカポスを目指すのならば,学位申請前であっても,学位取得が見えてきた段階で動き始めるべきだと思います.何回も書いてると,「教育に対する抱負」とか「研究の概要」とか,まとめるのが上手くなるぜ?

まとめ:
オレの言いたいことのほとんどが書かれている.オレの主張が代弁されているかのようだ.

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