実家に帰省中なんだが その2

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実家に帰省しているので,新聞があるわけだ.やはり,新聞がある生活というのは,知的に豊かな生活だと思うのだ.内容がどうこうは別として.そんなこんなで,今日の朝刊を読んでいたら,読者の声に面白い意見があったので,2つほど簡単に紹介します.いや,まぁ,基本的に読者の声は,記者の声よりも900倍くらい面白いんだがね.本職のライターはもっとがんばれよ.

まず1つ目.taspo関連の話題で,街のたばこ屋が廃業しそうだよ!みんなもっとたばこ屋を大事にして!というような主張.ほとんど同意できる.taspoが悪である.自動化すればいいってもんじゃねーぞ.この方も大いに勘違いをしていて,成人識別ICカードが無いと自販機でタバコは買えないと思い込んでいる.ほらみろ!taspoは諸悪の根源だフジタカ松村も涙目だね.それはいいとして,この人のどの主張に共感したか.一部抜粋.

でも,わが家では続けられるかぎり,頑張るつもりです.「街の灯台」としての役割があるからです.道を聞く人,学校や公共施設,お寺の場所を尋ねる人,徘徊老人や迷子を見かけなかったかときく人・・・.(中略)駅の売店やコンビニにはない機能です.

全くその通りだ.激しく同意したい.街のたばこ屋さんの重要性は以前のエントリで簡単に触れているが,街のたばこ屋さんがそういうんだから,やっぱりそうなんだ.自覚があっての街のたばこ屋さんなんだ.オレは嫌煙家だが,たばこ屋が無くなればいいとは全く思っていない.それぞれの役割があると思うんです.長年そうやってやってきたからには,何かしらの意味があると思うんです.技術でなんでも解決できるだなんて,大間違いなのだ!

2つ目の話.今度はレーザーレーサーのような速く泳げる水着が作れるのなら,溺れない水着も作れないのだろうかというピュアなご意見.ピュアといっても56歳だが,これが9歳とかだったら,目の付け所が違う!と褒めちぎるところなのだが.それいいとしましょう.

これは残念ながら,不可能でしょう.水着メーカでも素材メーカでもないけど,断言できます.不可能です.浮く水着なら可能だと思いますが.仮に,浮く水着が開発されたとして,でもそれは溺れない水着とは名乗れないでしょう.何故かって,浮いたところで,溺れる人は溺れるんです.浮き輪があっても溺れるし,救命胴衣はまだましにしても,溺れないかと言えばそうでもない.浮かないから溺れるわけではなく,うつ伏せであれば,水深5cmもあれば溺死だろう.浮くことも重要だが,呼吸ができることが溺れないための1つの重要な要素である.案外,沈んだって呼吸ができれば冷静なものだ.というわけで,残念なことに,このピュアなご意見は,夢のない現実によって儚く散るのでした.

ところで,この2つ目の話の人は文才があるね.今流行の言い方で言えば,文学的だ.

3歳のころ,肥だめに落ちた.(中略)落ちたところが肥だめだけに,運が良かった,としか思えない.

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