早期化する就職活動は「青田買い」

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これから就職活動をする方は必見.完全におかしいと思う.

スラッシュドット・ジャパン | 大学院修士課程1年次からの就職活動は「青田買い」?

初っぱなから素晴らしい正論を飛ばしている方がいて,議論白熱.

卒業が決まって(大卒・院卒と言う能力証明書をもらって)から
就職と言うのが本来の順番でしょ?

(中略)

就職活動で忙しいから、って言って
半年以上研究室に現れず
就職決まったら、遊び回っている学生は、
なめているとしか思えないし
こんな奴でも、院卒を名乗れるってのはなぁ、、、、、

大学院修士課程1年次からの就職活動は「青田買い」?

全くその通りだと思います.何故,卒業見込みすらも出ない時期(つまりはB4またはM2以前)に就職活動を始められるのかが,不思議でならない.学生が卒業できると高をくくっている証拠であり,大学は舐められているぞ.卒研や修論を落とすなんて,有り得ないって思われているぞ.他の授業科目と同じ単なる必修科目(卒業要件に含む)なんだから,英語や電磁気を落とすかのように,平然と落としてしまえばいいのに.って思いませんか.

バカを卒業させないと、研究室や学部という極めて微視的な単位で
非常にデメリットがあるのです

1. バカに居残られても邪魔、下手すりゃ周りに悪影響を与える
2. 卒業させなきゃ、アカハラだと騒ぎ始める
3. しまいにゃ、親まで出てきて騒ぎ出す
などなど、、、、、

大学院修士課程1年次からの就職活動は「青田買い」?

これまた真理.留年率が上がると,研究室の人数が増えたり,在学数が増えたり,文科省からなにやら文書が届いたり,面倒なことが起きるのです.で.最もやっかいな類が親.親は面倒くさい.特に私立においては.そもそも論理的におかしいのは,全く卒研もやらずに,学校にも来ないのに,「就職先が決まっているんだから,卒業できないと困る」っていう主張.卒業できないのだから,就職できないのは当然であって,就職するから卒業するのではないだろうに.就職先が決まってるのはおめでとうございますですが,卒業するための努力を何もせずに,何を言っているんだという感じです.卒研は卒業のためにあるわけではなく,立派な卒業要件に含まれた単位科目です.1回も授業に来なかったのに「単位が出ないのはおかしい」って言ってるのと同じだと,クールに理解して頂きたいです.「卒論を出せばいいんだ」ってのは「テストは欄を埋めれば間違っててもいい」と同じことだと,賢明なみなさまなら理解して頂けるでしょう.

んでまぁ,どこが悪いかって,明らかに就職活動を早期化させている企業でしょう.特に,理工系が1番被害を被ってると思うのです.そして,国立大の工学部がついにキレたらしい.

東京大、京都大など有力大学の工学部長らでつくる「8大学工学部長会議」が22日、日本経済団体連合会に、修士課程の大学院生の採用活動を2年次の4月以 降に始めることなどを求める声明を手渡した。活動の早期化・長期化などが「教育研究を大きく妨げている」として、それらを是正するよう要望している。

(中略)

京大の大嶌幸一郎・工学部長は「今のままでは学生にも企業にも大学にもマイナス。就職活動の開始を遅くして期間も短縮してほしい」と訴える。

asahi.com(朝日新聞社):院生「青田買い」研究に妨げ 有力大工学部長が是正訴え - 社会

確か経団連への申し入れは以前にも行っていたと思うのだが・・・.手渡したとかじゃなくて,デモとか,もっと過激に訴えたらいいのに.「このままでは大学のブランドを保つことができない!優秀な学生を社会に送り出す使命を全うできない!今年は卒業生ゼロです!」ぐらいの主張が欲しいところです.そして,それができないのが今の大学という最高学府の弱みです.社会の言いなりです.ゆとり教育のしわ寄せの件も含めて.企業様は偉いのです.「最近の新卒は全くなってなくて,使い物にならないから,研修を長期にかけてやらねばならんのだ!」っていうけどさ,それって,就活が早期化・長期化しているから,大学が教育機関としての責務を果たせなくなっているからだということをクールに気がつけ!

ところで,だからといって,「就活は4月以降からしか認めません」なんて学生には言えない.だって,今の社会がそうなっちゃってるんだもん.流れに乗らなかったら,不利益を被るのは学生だ.それは教員として推奨できない.学生の夢を助けるのが大学教員の仕事であろう.そうだ.ランディ・パウシュ先生もそういってた

でも,忘れてはならない.本当に大事な時期はどこだろうか.早期化する就職活動.入社約1年前の4月に,就職先が決定することも多々あるだろう.就職活動の重圧から解放され,平々凡々としていれば卒業は間違いない.その1年間.その1年間をどのように過ごすかが1番大事なのではないだろうか.腑抜けた1年間を送るのか,目標に向けての努力を続けるのか,最後の学生生活を楽しむのか,研究に没頭するのか.どう過ごすのかは自分次第だが,この1年の差は,きっと大きい.取り返しがつかない大きさだと思う.大学教員はそれをしっかりと教えなくてはいけないのだと思う.

っていう話を12月1日にid:kakku22がしてくれるそうです.期待しましょう.

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